マイナンバー

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2015年8月26日 (水)

マイナンバーってナンダー? その11

「電子行政が国家戦略の中心になる」


これはある研修会で聞いてきたことです。
日本が今後労働人口の減少に伴い、日本の経済成長も低下していくことは
前々から言われていることです。
生産力が向上していかない以上、税収は上がってきません。
当然租税強化のために新たな戦略が必要であると。


すべての国民に番号を振り、
「その方が申告しているのか、納税しているのか、誰かの扶養なのか」
すべて色分けしていく・・・。

すべての法人に番号を振り
「その会社が申告しているのか、納税しているのか、チェックしていく・・・」


それを行うのが「電子行政」
まさに国家的なプロジェクトなのでしょうね。
「納税していない国民や、納税していない法人があぶりだせる仕組み」
なのですね。

これに関してもう一つ言われていることがあります。

法人に関しては、納税もそうですが、「社会保険に加入していない」法人も
あぶりだしていくのでしょう。


厚生年金に加入していない中小企業は80万社いるといわれています。
(日本経済新聞2014年7月4日の記事より)

この「社会保険の未加入問題」、これは非常に大きな問題なのですね。
中小企業の顧問税理士として切に思います・・・・。


マイナンバーが始まったら、個人法人をすべて紐付していったら
いとも簡単に未加入事業者が特定されてしまうのでしょう・・・・。

これは本当に恐ろしい事態が起きますよ・・・・。


2015年8月25日 (火)

マイナンバーってナンダー? その10

さてこのあたりでいったんまとめましょうか。

この10月から「個人番号」と「法人番号」が振られるのでしたね。

つまり、


『個人番号(マイナンバー)として、国民一人ひとりが、
12桁の番号が振られ、
法人番号として設立登記されているすべての法人に
13桁の番号が振られる』


ことになるのです。
なぜ振られるのかは、「政府の公式見解」で、ご説明したとおりですね。


でも冷静に考えてみてください。
かつて国民が大反対して廃案になった「国民総背番号制」が
ありましたが、
国民総背番号制とは対象はまさに「国民」=「人」でしたね。
でも今回はすべての「法人」も含まれているのですね。

『国家総背番号制』

ではないか!
とこんなことは誰も言っていないのですね。
でも、そう思いませんか。

さらに、ここでズバリ!書きます。


『マイナンバーの真の狙いは課税強化ではないのか』


ここなのですね。
何度も税理士会の研修に参加してみて、

なかなかここをズバリ言う講師はいないのですね。
ハッキリ言えないのでしょうね。

「年金の不正受給」や「脱税防止」にこのマイナンバーは
使われてくることは間違いないのですね。


ここまでいう税理士は私くらいでしょうか。
課税強化という小さな範疇ではないのです。


『新しい国家戦略』 だからでしょうね・・・・。

2015年8月20日 (木)

マイナンバーってナンダー? その9

法人番号はいったいなんのために創設されたのでしょうか。
国税庁のサイトから詳しく解説していきます。


Houzinbanngou_kuwasiku


「法人番号は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、
公平・公正な社会へを実現するための社会基盤です。


ひとことで言えばそんなことだそうです。


「行政の効率化」とはすべての会社に網羅的に番号が振られるのでしょうから
これは効率化とはいえるでしょうね。
今や登記上、同名の会社は簡単にできるのですから・・・。

「国民の利便性の向上」
とはいったいどういうことでしょうか。


Houzinbanngou_katuyouhouhou


国税庁のサイトに「もっともらしい」絵を見つけました。
今まで、会社を調べるには登記所や信用調査会社などコストがかかっていました。
それが誰でも「タダで」ダウンロードできるようになるのですね。

「新規営業先、会員勧誘先の把握にとって効率化」ということなんだそうです・・・。
それによって新たな価値が創造される・・・。

Houzinbanngou_kuwasiku_04

国税庁の「キャッチコピー」です。
法人番号で、「わかる。つながる。ひろがる。」

何が分かる? 何がつながる? 何がひろがる???

2015年8月19日 (水)

マイナンバーってナンダー? その8

すいません。
マイナンバー制度を熱く語っていたつもりでしたが、
夏休みで中断してしまいました・・・。

さて、個人のマイナンバーは何となく分かりだしたのですが、
法人のマイナンバーがよく分かりませんね。
マイナちゃんの説明もどうも「遠慮がち」。

ここで法人番号に関して、「気合を入れている」所管を見つけました。
なんと、「国税庁」です。

Houjinbangou_gaiyou


これは国税庁のサイトです。
ここで法人番号を定める人は、「国税庁長官」なのですね。
マイナちゃんではないということが分かりました。

国政庁長官が1法人に1番号を指定して、
10月から「通知」することは分かりましたが、
驚くべきことは「公表」です。

会社の①名称 ②所在地 ③法人番号
をインターネットを通じて公表するのですね。
膨大なデータなのですね。日本中のすべての会社の名簿が
手に入るということなのですね。

法人番号には情報漏えいなどあり得ないのですね。
個人のマイナンバーの「セキュリティー」が問題視されているのに
これはどういうことでしょうか。

Houjinbangou_gaiyou2


これを見る限り、誰でも番号を検索できるし、
あいまい検索や絞込み検索もできます。
それどころか、CSV形式などダウンロードさえ。

誰でも法人名簿が簡単に手に入るので、
今後法人宛のDMが天文学的に急増するのでしょうね・・・・。

2015年8月 6日 (木)

マイナンバーってナンダー? その7

Houjinbangou


住民票を持つすべての個人にマイナンバーが割り振られるのですが、
実は法人にも割り振られます。
個人は12ケタですが、法人は13ケタ!
膨大な数ですね。

でもここで疑問に思いませんか?
マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策のために
当初利用されると作られているはずなのですが、
法人に「災害対策」まったく関係ありませんね。

「社会保障」と言われても、当たり前ですが、
法人に年金はおりませんからね。
法人税や消費税という「税」は納めますが・・・。

どうして法人にマイナンバーが振られるようになったか
どこにも書いてありませんね。


ではここでマイナちゃんの「よく分かる」解説。


Houjin_3

マイナちゃんは「なぜ法人にもマイナンバーがあるのか」
教えてくれませんね。

それどころか、よけい分からなくなるのが

「どなたでも自由に利用できます。」

個人のマイナンバーはその取扱いは個人情報そのものですから、
厳重に管理されますね。

でも、それに対して法人のマイナンバーは「自由に利用」できます。


これはいったいどうしてでしょうか・・・!??


2015年8月 5日 (水)

マイナンバーってナンダー? その6

Photo


ここでポイントとしては、現時点では

社会保障

災害対策

に限定された利用目的なのですね。
ただ今後個人情報をあらゆる行政機関から紐付されることも
検討されています。


もっと具体的に言うと、例えば
「年金の不正受給」であったり
「脱税防止」にも使われるのでしょうね。


あらゆる金融機関に口座ごとにマイナバーが振られたら
特定個人の金融資産が行政側としては「ガラス張り」ですからね。

所得にあるのに「生活保護を受けている」そんなことが
分かってしまうのでしょうね。
税の立場では、銀行口座にこれだけの入金(売上)があるのに
確定申告の売上高と合っていない・・・・。
そのあたりは序の口なのでしょう。


もちろん、目的である「公正、公平な社会の実現」
のためには、不正や脱税はあってはならないのですから
当然です。

でも何だか冷静に考えると、このマイナンバー制度ってていうのは
本当に「ナンダー?」
と思いませんか・・・・。

2015年8月 4日 (火)

マイナンバーってナンダー? その5

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ではそのマイナンバーは何に利用されるのでしょうか。
まず政府の公式見解。
マイナちゃんの解説です。


社会保障、税、災害対策


の三つの分野の「行政手続」で利用されます。
つまり、「行政側」で使うのですね。我々が使うのではありません。
しかも三つの分野に限定されているのですね。


その「社会保障」とは、具体的には

年金の資格取得や給付、雇用保険の資格取得や給付、
生活保護など「行政側の手続きのために」使われます。


「税」とは、具体的に
確定申告書や届出書、調書などに記載するのですね。
これはもちろん税理士の分野なので、あとで詳しく解説しましょう。


三つ目の「災害対策」とは、これは正直ピンときませんね。

被災者生活再建資金の支給、被災者台帳の作成事務のために
使われるということです。
ですので、「災害対策」というより、「災害があった後の行政側の事務の効率化」の
ために使われるみたいですね。


マイナンバーの解説で、よく東日本大震災の被災者のことが
例示で上げられますね。

大津波によって、身体ひとつで逃げた方でも、
マイナンバーが分かれば、通帳やキャッシュカードがなくても、
すぐに預貯金を引き下ろせる。

病院の診察券をなくしても、マイナンバーが分かれば、その人の病歴や、
服用歴が分かる・・・。


これは確かにすごい「災害後の対策」かもしれません。
ただこれは冷静に考えると、現時点ではまだまだ
「先の先のお話」のような気がします・・・・。


2015年7月31日 (金)

マイナンバーってナンダー? その4

では本当にマイナンバーによって何が良くなるのでしょうか?


政府の公式見解として3つのメリットが上げられています。


1 行政の効率化 手続きが正確で早くなる
2 国民の利便性の向上 面倒な手続きが簡単に
3 公平・公正な社会の実現 給付金などの不正受給の防止


これ読んで「そうか!」とは思わないでしょうね。

我々国民にとってのメリットは何なのでしょうか?
簡単に言えば、国民のメリットというより、行政側のメリットなんでしょうね。


1 行政の効率化 手続きが正確で早くなる

これは「縦割り行政に横串を刺すことで利便性がアップ」と
言われています。
今まで年金の番号や納税者番号など、それぞれ別に振られていましたからね。
これが統一化されたら、「行政側」としては便利なのでしょうね。
ですので、国民側として「利便性がアップ」とは思えないのですね。

でも敢えて

2 国民の利便性の向上 面倒な手続きが簡単に

とうたっているのは、「行政側」で確認することができるので
「手続きが簡単に」なるということなのですね。
具体的には、所得証明書を添付しなればならない場合に、
行政側で「勝手に」所得が確認できてしまうのですね。
これが便利と言えるのでしょうか。
また自分の社会保険料の納付状況や税金の納付状況を確認でき
るようになります。
これも、果たして「便利」となるのでしょうか。


最後の

3 公平・公正な社会の実現 給付金などの不正受給の防止

これはすごいですね。
国民を疑っているような書き方です。
実際に所得があるのに、生活保護を受けている方が多いと
いうことなのでしょうか・・・。

2015年7月30日 (木)

マイナンバーってナンダー? その3

マイナンバーは住民票の記載された住所に送付されるのですが、
ここでポイントは、住民票を持つ「日本人」ではないのですね。

つまり、住民票を持つ外国人にも送付されます。

具体的には中長期在留者(在留期間が3カ月超)、
特別永住者(在日韓国人等)などの外国人住民にも
送付されるのです。

ということは、住民票のない方には当たり前ですが、マイナンバーが送られる
ことはありません。


でしたら、海外赴任しているような日本人はどうなるのでしょうか?
通常海外赴任する場合は住民票を移す(除票する)のですね。
日本国籍を有する方であっても、海外赴任や海外移住などで
住民票を除票している場合には、マイナンバーが付与されないのですね。

そういう方はどうなるかというと、帰任や帰国してから、初めて付与されることになります。


さて、何のためにマイナンバーが必要なのでしょうか?
日本人だけでなくなぜ外国人の方までマイナンバーを付与していくのでしょうか。
当然これには膨大な費用がかかります。
(一説によると導入コストだけでも数千億円!)
当然これからもかけ続けていくのですし、
一方の企業側にも多大なコストがかかるようです。


「マイナンバーがあってよかった!」


と思える日がいつか来るのでしょうか・・・・。

2015年7月29日 (水)

マイナンバーってナンダー? その2

Maina_3

さてマスコットはどうでもいいのですが、
ではマイナンバーって要するに何なのでしょうか?

政府の公式見解。つまり
「マイナンバーとは、国民一人ひとりが持つ12ケタの番号」なのですね。
ですので、やはり国民総背番号制なのですね。
10数年前は国民感情から大反対を受けたのですが、
やはり「消えた年金問題」があって考え方も変わったのですね。
12ケタというのもすごいですね。
日本の人口が今1億2700万人(9ケタ)ですから100年は大丈夫ですね!?

その番号が10月以降通知されるのです。
でも実際に1憶2700万人に通知されるのですから、
全員が10月1日に通知はされないみたいですね。
これは実際に大変な作業なのでしょう。

しかも、通知される宛先は「住民票に記載されている住所」です。

ここで問題なのは、実際に住んでいるところと、
住民票の住所が異なる場合なのですね。

アパート暮らしの方など、実家の住所に住民票を置いたままで、
異動していない人が多いのではないでしょうか。
ですので、実家に送られてしまっては
マイナンバーの通知が受けられないということも予想されます。

よって会社の総務部が現在、「住民票の確認のお願い」など全従業員に通知して
いることろも多いみたいです。
セミナーにいくと「いつまでこういう通知をするように」と言われますね。

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