経営に役立つ本

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2019年9月13日 (金)

ユダヤの商法 その6

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昔東京タワーの中に「蝋人形館」があったのをご存じでしょうか。

東京の隠れた名所だったのですね。

 

実はこれも藤田氏の発案のものです。

マクドナルドを日本に広めた後、1970年(昭和45年)に

ユダヤ商人ジョージ・ドラッカー氏から蝋人形の興行権を

買って東京タワーの中に蝋人形館を開いたのです。

 

「日本人は、動きのない人形なんか見に来るはずがないから

絶対失敗する。」

 

と当時は周りから言われたそうです。

当時興行とは、客が座ったりじっとしていて、舞台が動くものと

思われていたからなのですね。

それはそうですね。映画や演劇で考えれば常識的なことだったのです。

 

それを藤田氏は全く逆転の発想です。

舞台が“静”で客が“動”という興行を日本で初めて

成功させたのです。

ただ残念ながら2013年(平成25年)に閉館にはなっていますが

40年以上続いたことを考えれば大成功だったのでしょう・・・。

 

もう一つ、ユダヤ商法で参考になる考え方。

「薄利多売はバカの商法」

 

「薄利多売」というと大阪商法を代表するものといえます。

大阪商法は薄利多売で「がめつく」儲けていくやり方だからです。

 

でもユダヤ人に言わせると

「たくさん売って『薄利』だなんて大阪商人はバカではないか」

そこまでいうそうです。

 

ユダヤ人は、「安く売る」という発想はないのです。

自信のある商品は絶対まけないで高く売るのです。

ユダヤ商品は「まけるくらいなら売らない」

これは、自分の取り扱う商品に、絶対の自信に裏打ち

されているからなのです。

 

「薄利多売」の反対の発想ですが、「厚利多売」

これこそユダヤ商法の儲けるからくりです。

「高く売る」というのは以前勉強しましたが

コトラーのマーケティング理論ですね。

 

ただユダヤ商法は4000年の歴史があるのです。

かなり論理的です。

「金持ちが飛びついてくるエサ」を探すのです。

どういうことかというと、流行には金持ちの間で流行るものと

大衆の中で起こってくるものがあるそうです。

大衆の中では、(かなりたとえが古いが)フラフープとか

ダッコちゃん、アメリカン・クラッカーのようなものです。

古すぎて分るでしょうか・・・。

今ならタピオカでしょうか。

でも大衆の流行るものはあっという間に終わりますね。

 

当然ですがユダヤ商法は、金持ちの間で流行るものがターゲットです。

 

やり方は「アコガレ心理」。

上流階級の心をくすぐるのです。

そうなればしめたもの。

「厚利多売は希少価値を売ればいくらでも可能」

なんだそうです。

 

ただ上流階級で流行るものはいずれ大衆でも流行るそうです。

その期間は2年後。

もちろん、その2年後には手を引くのがコツ。

 

恐るべしユダヤ商法・・・。

2019年9月12日 (木)

ユダヤの商法 その5

藤田田氏は、大阪生まれの生粋の日本人です。

でも「銀座のユダヤ人」と国内外の同業者から

呼ばれていました。

 

なぜ日本人なのに「ユダヤ人」と呼ばれていたのか?

この本で一番面白かったところですが、これは藤田氏を

語るには絶対外せない大事な「ネタ」なので、

ご紹介しておきましょう。

 

藤田氏が42歳の1968年(昭和43年)、

アメリカンオイルからナイフとフォーク300万本を受注しました。

納期は9月1日シカゴ渡しという条件。

アメリカンオイルとはスタンダード石油の親会社で

ユダヤ系資本の会社でした。

船便でシカゴに送るには、8月1日までに横浜港を

出せば間に合うことになっていました。

ところがそのナイフとフォークが出あがったのが8月27日。

当然、船便では完全に間に合いません。

契約の民、ユダヤ人にとって納期は絶対。神との約束です。

それで藤田氏は、当時で3万ドル(日本円で1000万円)かけ

ボーイング707をチャーター。それで間に合わせたのです。

翌年、同様の注文が来ました。今度は倍の600万本。

でもまた今回も納期が間に合いません。同様に飛行機をチャーター。

この二度のチャーターで藤田氏は大損です。

今の日本円にしたら数億円の大損でしょう。

でもその見返りに「銀座で約束を守る唯一人の商人」

つまり「銀座のユダヤ人」という称号を得たのです。

 

もう一つ藤田氏を有名にした事件がありました。

チャーター機事件より6年前の1961年(昭和36年)、

さらに若い35歳のとき。

暮れも押し迫った12月20日に、ニューヨークのベスト・オブ・トウキョウ社から

トランジスタラジオ3000台とトランジスター電蓄500台の注文を受けます。

 

条件は口銭3パーセントと、約束の期日は翌年2月5日。

注文品を当時新橋にあった山田電機産業に生産を依頼します。

山田社は暮れも正月も返上して生産。1月24日には船積みするところ

までこぎつけます。

ところが、ニューヨークから1月29日に突然キャンセルの電報。

ここで初めて気が付くのです。

 

「悪徳ユダヤ商人のバンザイ屋であったか・・・」

 

しかしひどいことする悪徳商人がいるのですね。

若干35歳の藤田氏も、完全になめられたのでしょう。

 

当然山田電機産業は商品の引き取りを求めてきます。

藤田氏はこれを転売することもせず、ベスト社と戦います。

そこでなんと、当時のケネディ大統領に

「直訴状」を発送してしまうのです。

「米国民による、何ら理由なき注文取消しに基づく、

当社の損害救済について」

 

この原文がもちろん掲載されています。

その英語力と、何よりもその行動力に驚きます。

3月中旬、山田電機産業は9400万円の負債を抱えて

本当に倒産してしまいます。

バンザイ屋の策略のために本当にバンザイしてしまったのです。

 

しかし、3月20日、藤田氏は米国大使館から呼び出しを受けます。

 

「実はケネディ大統領が、商務長官を通じて、あなたから直訴があった件を

解決するようにと、ライシャワー大使にいってこられたのです・・・」

 

 

驚きました。

こんな方がいるのですね。

 

「飛行機をチャーターしても納期に間に合わせたフジタ、

大統領に直訴した最初のニッポンのユダヤ人フジタ」

 

この二つの事件を通じてユダヤ商人から見直されて

本物の信用を得たのです。

 

なぜ藤田氏が45歳の若さながら、世界最大のハンバーガーチェーンの

日本のトップになったか、これでご理解いただけたでしょうか・・・。

2019年9月11日 (水)

ユダヤの商法 その4

ユダヤ商法でほかに参考になるもの。

 

「辛抱よりは“見切り千両”」

 

ユダヤ人は商売に、資金、人力を投入しようとしたとき、

一か月後、二か月後、三か月後の青写真を準備するのです。

一か月、二か月までは、どしどし資金と人力を投入します。

しかし、もしも三か月たって商売が好転するという

はっきりとした見通しが立たないと、思い切りよく

手を引いてしまいます。

三か月で投入する資金はあらかじめ決めているので

さばさばしているというのです。

 

税理士として今まで多くの起業開業を見てきました。

日本には、「桃栗三年、柿八年」、「石の上にも三年」という

ことわざがありますね。

「日本人は辛抱強く努力を続けることが成功のための最大の

要因である」

と思い込んでいる節すらありますね。

 

日本人は

「今、ここでやめたら三か月の苦労が水の泡になる・・・」

 

そういってどんどん深みに入っていってしまうケースも多いのです・・・。

 

さらに、ユダヤ人は、三か月で儲からないと分かると

あっさり手を引いてしまうほどですので、

自分の血と汗の結晶で作り上げた会社に対しても、

ナニワブシ的感傷は一切抱かないのです。

つまり、ユダヤ人は自分の経営する会社ですら、儲けるためにはなんの

ためらいもなく手放すのです。

ユダヤ商法は、高い利潤があれば会社でも立派な商品であると

いうことなのです。

 

「ユダヤ人の会社観とは、好成績を上げる会社を作っては楽しみ、

その会社を売って金を儲けては楽しむ。

そしてまた儲かる会社作っては楽しむ・・・。」

 

なかなか日本人には理解し得ないところなのでしょう。

 

もう一つ。

ユダヤ人は“契約の民”と言われているだけに、

ユダヤ商法の神髄は「契約」にあります。

つまり、ユダヤ人は、いったん契約をしたことは

どんなことがあっても破らないのです。

 

これは、そもそもユダヤ教の教えに

「人間が存在するのは、神と存在の契約をしているからだ」

そういうことからなのだそうです。

それで日本人がユダヤ人から信頼されないのは、

契約を守らないから・・・。

 

ただここで驚いたことは、自分の会社を売って商売にするくらいの

ユダヤ人ですから、その「神との約束である契約書」も売って

商売にするのだそうです。

契約書を売る商売「ファクター」というビジネスも

実際に存在しています。

恐るべしユダヤ人・・・・。

2019年9月10日 (火)

ユダヤの商法 その3

ではそのユダヤ商法の「公理」から。

 

「ユダヤ商法に商品はふたつしかない。それは女と口である」

 

なんだか怪しい格言のようですが、これこそ

「ユダヤ商法4000年の公理」

なんだそうです。

しかも、「公理」ということなので「証明は不要」なくらいなのです。

4000年の歴史といわれると日本人は申し訳ないですが弱いですね。

今から4000年前とは日本では縄文時代まで遡ります。

その頃は商人すら存在しなかったのですからね・・・。

 

藤田氏が、あえてその公理に説明を加えると

「男というものは働いて金を稼いでくるものであり、

女は男が稼いできた金を使って生活を成り立たせるものである。

商法というものは、他人の金を巻き上げることであるから、

古今東西を問わず儲けようと思えば、女を攻撃し、

女の持っている金を奪え―というのである。」

つまり、

「女を狙えというのはユダヤ商法の金言なのである」

 

なるほど!とは思いますが、この本は今から50年前に

出版されたもの。

共稼ぎが多くなった現代ではまともに反発を食らいそうですが・・・。

でも、50年なんて期間は4000年という長い歴史から見たら

誤差の範囲なんでしょうね・・・。

 

「女を狙って商売すれば必ず成功する」

 

これは貿易商として財産を築いた藤田氏の実体験でしょう。

ダイヤモンド、豪亜なドレス、指輪、ネックレス・・・

すべて女性をターゲットにした商売ですからね。

 

では次に「口を狙え」はどういう意味でしょう?

ユダヤ商法の第二の商品である「口」とは

「口に入れるものを取り扱う商売」

のことなのです。

例えば、八百屋、魚屋、酒屋、米屋・・・。

それらを加工し販売する、料理屋、飲食店、レストラン・・・。

 

では口に入れる商売がなぜ儲かるかは、科学的に説明できるのですね。

当たり前かもしれませんが、口に入ったものは、必ず消化され、

排出されるからなのです。

つまり、口に入れられた“商品”は刻々と消費され、数時間後には

次の“商品”が必要になってくるからなのですね。

 

「日本のユダヤ商人」藤田田氏はその「第二の商品」にも

手を出したのです。

もうお分かりですね。

「日本マクドナルド社」を作り、その社長に就任したのですから。

 

ユダヤ商法の公理のとおり、日本でビジネス展開しただけなのです。

 

これからのビジネスに参考になると思いませんか?

ユダヤ商法の第二の商品である「口」はこれからのビジネスの

ポイントになるのでしょう。

 

ここで消費税増税前の税理士らしい正しい「突込み」を。

「口に入れる」食品は、来月から軽減税率が適用されるのですね。

すべて8%で仕入れることができるのです。

それを10%付加して売ることができるのです。

 

ユダヤ商法の第二の商品も一大ビジネスチャンス到来なのですね・・・。

 

「口を狙え」!!

2019年9月 9日 (月)

ユダヤの商法 その2

まずユダヤ人という人種についての誤解。

まず、ユダヤというと申し訳ないですが、「差別と迫害の歴史」を

感じざるを得ないのですね。

第二次大戦でナチスドイツによって600万人ものユダヤ人が

殺されたのですね。

子供のころ、「アンネの日記」を読んでからそのイメージが

付きまとっています・・・。

 

まず、誤解でしたがユダヤ人とは「イスラエル人」ではないのですね。

昔は「イスラエル教を信仰する人々」という定義があったそうですが、

今は「キリスト教に改宗した人」、「無神論者」の方も含むそうです。

国籍も様々。アメリカ人もいればロシア人も、ドイツ人もスイス人もいます。

それでも「アメリカを支配しているのは全米の2%足らずのユダヤ人」

であるという事実。

また世界中のユダヤ人はたかだか1300万人。

イエスキリストだってユダヤ人。

「ユダヤ人がユダヤ人を処刑して世界中の人々から2000年も

迫害されつづけてきた。キリストの処刑は我々とも何の関係もないし・・・」

そうユダヤ人自身が反論するらしい。

 

自由世界のシンボルのキリストがユダヤ人であれば、

共産主義の“神様”マルクスもユダヤ人。

世界の財閥ナンバー・ワンのロスチャイルド、天才画家ピカソも

20世紀の偉大な科学者アインシュタインンも、

アメリカの大統領だったルーズベルトも、

米大統領補佐官のキッシンジャーも、いずれもユダヤ人・・・。

 

しかし、何よりも重要なことは欧米の名だたる商人の大半が

ユダヤ人であるという事実・・・。

 

欧米で商売をしようと思えば、好むと好まざるとにかかわらず、

ユダヤ人を窓口とするしかない・・・。

 

世界を支配しているのがユダヤ人だから。

 

つまり、ユダヤ人を知らなければ商売ができないのです・・・。

2019年9月 5日 (木)

ユダヤの商法 その1

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話題の本ですね。

日本マクドナルドの創設者である藤田田(でん)氏の著書です。

藤田氏は1926年(大正15年)生まれ。

東京大学法学部卒業。在学中にGHQの通訳を務め、

多くのユダヤ人と接したことで起業します。

学生起業家として輸入業を手掛けたのです。

藤田氏が45歳の時の1971年(昭和46年)に

世界最大のハンバーガーチェーンである米国マクドナルド社と

50:50の比率で「日本マクドナルド」を設立しました。

その後10年あまりの間で日本の外食産業のトップに

昇り詰めました。


実はこの本は復刻本なのです。

もとになる「ユダヤの商法 世界経済を動かす」

という本は、日本マクドナルド社を設立した1年後の

1972年(昭和47年)に刊行されました。

その後総計87万7000部の大ベストセラーになったそうです。

 

マクドナルド成功のカギは、実は「ユダヤ商法」にあった・・・。

ということが当時ウケたのかもしれません。

開業前

「日本ではハンバーガーなんか売れるわけがない」

と言われたそうです。

そのことが赤裸々に描かれています。

 

 

藤田氏は学生時代から得意の英語を生かし、

ユダヤ人と付き合うことにより、商売の基本を叩き込まれた

ようです。

正直書くと「ユダヤ商法」というとどうもいい意味では

とらえられないかもしれません。

発刊されて50年近くも経った今日に、あえてこの復刻本が

出た意味を考えざるを得ません。

商売の原理原則は不変だとも思います。

 

でも最近

「何か面白いビジネスないですか?」

「何か儲かるビジネスないですか?」

よく聞かれます。

このブログでも何度も取り上げていますが、

昭和まで通用したビジネスが令和の時代になって

まったく通用しないことがよくあるからです。

 

ここで「ユダヤ商法」を再認識することもよいのではないでしょうか。

 

「商売のアイデアを見つける力」

「それを実行する力」

 

をぜひ学び取ってほしいと思います。

「成功のヒント」

がこの本にあると思ってご紹介していきましょう・・・。

 

 

 

2019年8月22日 (木)

税のタブー その5

では最後に交際費のお話。
いろいろ語りたいことは多いのですが、
やはり「タブー」なことを面白おかしくブログでは
かけないのですね・・・。

「交際費課税はそろそろやめよう」

ズバリ三木先生は公言されています。
そうなのですね。
税務署は今まで「交際費を目の仇に」してきましたから・・・。
私もここ20年くらい交際費については
本当に悩ませられてきましたからね。
本来経費性のある費用が「経費でない」というのですから
それを説明することすら正直矛盾も多いのです。
あれこれ通達やら多くのQ&Aも存在するのですね。
それすべて勉強することすら大変ですし、それを税法知らない
お客さんに説明することが結構大変なのです・・・・。

でも企業の交際費は事業活動をしていく上で、
どうしても必要な経費ですよね。
ところが永年税務署は交際費を原則経費として認めてこなかったのです。

どうしてそうだったかをこの本で知りました。
昭和29年(1954年)まで遡るのですね。
当時は朝鮮戦争特需で、多額の交際費が支出され、会社の交際費で
飲み食いする社用族で繁華街が賑わっていたのです。

その頃、政府は日本はなぜかこの交際費を規制したのですね。
たまたま3年間の時限措置だったのですが、それが延々に続き
65年間も交際費の損金を認めてこなかったのです。

でも何だかいびつなまま規制されてきた感があって、
税の現場としても問題が多かったのです。

事例を3つだけ紹介しましょう。

(1) 社長が一人で会社の金で飲んだ酒代
(2) 社長が従業員を慰労するために小料理屋で飲んだ酒代
(3) 従業員を慰労するために行った、歌手の生出演付きの午後の食事代

こういう経費がいままで最高裁まで争われてきたそうです。


(1) なんかどこの中小企業でもありそうですね。
「福利厚生費」でも「役員賞与」でもなく交際費なんだそうです・・・。
「社長の給与ではないか!」と私なんか思ってしまうのですが、
最高裁がこう認めてしまったのですから、従業員や役員の飲食代を
交際費とする事例が増えてしまったのだそうです。
だから(2)、(3)のいくら「社員の慰労のため」と言っても、
交際費なんだそうです・・・。

確かにいろいろ考えると交際費課税はヘンですよね・・・。


「撤廃したほうが飲食業界のためには良い」
と書いてありましたが、それについては一税理士というより
左党の代表として賛成します・・・。

 

三木先生、いろいろと勉強させていただきました。
ありがとうございました。

(税のタブー シリーズ おしまい)

 

2019年8月21日 (水)

税のタブー その4

では具体的な事例紹介。
最高裁の決定以後、解釈が変わってきているのです。

「シングルマザーの弁護士が支払ったベビーシッター代は
経費になりますか?」

三木先生のご下問です。
聞いた瞬間に多くの税理士は
「そんなもの経費にならないよ。家事費だろ・・・。」
そう答えるでしょうね。
100人の税理士に聞いたら、たぶん95人はそうでしょう。

今まで頭にこびりついた「必要経費は直接関係あるもの」の
判断基準から、瞬時にそう答えてしまうのですね。

でも最高裁は、必要経費を「①売上原価等の直接経費と
②販売費等の間接経費等の業務について生じた費用」
としたのでしたね。
よって三木先生は、

「仕事のために必要であったベビーシッター代は当然経費」
であるとしています。

ただここで疑問なのは、「シングルマザー」と限定していますよね。
ということは、共稼ぎの弁護士だったらどうなるのでしょうか?
しかも、「ベビーシッター」と限定していますよね。「保育園代」では
ダメなのでしょうか?

安倍総理は「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げ、
女性が働き続けられる社会を目指しているでしたね。
税制もそれに伴って変わっていかないといけないと思うのです。

残念ながら、女性弁護士の顧問先はいないので、ベビーシッター代は
必要経費にして差し上げることはできません。
しかしもし課税庁がそれを経費否認したら、それこそ最高裁まで
争う女性弁護士もいるに違いないと思うのですね。
そういう女性弁護士こそ日弁連の副会長になっていただきたいですね・・・。

 

もう一つ必要経費で「作家の費用が一番難問」であると
三木先生は述べています。

「自分の私生活をつづったエッセイが売れてしまった場合、
何が取材費なのでしょうか?」

これ難しい問題ですね。

「この日々の生活を綴った本は、この一年間の私の生活に起こった出来事を
まとめたものだ。したがって、この一年間の私の生活そのもの、
つまり私の支出した金額はすべて必要経費なのである」
と三木先生は主張されるそうです・・・・。

作家でなくても、今や「有料ブロガー」も多いですからね。
結構稼いでいるらしいのですね。
また今流行のYouTuberなんかも億稼ぐ人も多いそうです。

最高裁の決定で税法の考え方が変わってしまったのです。
②販売費等の間接経費等の業務について生じた費用
とはどこまでを範囲とするものなのでしょうか・・・。

 

自分自身も難問を考えてみました。

「日本中のマラソン大会に出場して、それを有料ブログに上げて
本を出版した場合、その取材費、参加費、旅費、宿泊費は経費に
なるのでしょうか・・・?」

自分でもやって申告してみようかと。
否認されたら最高裁まで争いますね。
「吉田マラソン訴訟」として有名な判決になりますかね?

そうなると日税連の副会長位にはなれるかな・・・・??(まったくの冗談です)

2019年8月20日 (火)

税のタブー その3

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「必要経費」の箇所も非常に勉強になりましたね。
私が税理士となって20年以上。
試験勉強でイヤというほど所得税を勉強させられてから
もう25年も経ってしまいましたからね。
税の考え方も日々変わってきているのです。
「必要経費」とは文字通り「経費として必要かどうか?」
つまり、経費として落ちるかどうか?
これは税理士としての腕の見せ所ですからね。


写真は本編とはまったく関係ありませんが、
NHKの今やっている面白いドラマ・・・。

例えば、
1. 弁護士個人が支払ったロータリークラブ会費
2. 不動産業者が仲間と行ったゴルフ代
3. 作家が小説の舞台にした場所への旅費

こういうものが経費として認められるでしょうか?
難しいので説明は割愛しますが、
実は多くの税務署がこれら経費を認めなかったなのです。

つまり、今までの「税務署の伝統的な考え方」は、

「こうした支出がその人の事業と直接関係があるかどうかを
重視して、非常に限定的にしか経費性を認めなかった」

のです。

ところが、日弁連の副会長の弁護士が、税務署と最高裁まで争った
有名な裁判があるのです。

日弁連の副会長に立候補するための経費と、副会長になったために
マスコミ等との懇親会費用を税務署は認めなかったのです。
つまり、従来の考え方から、弁護士として売上に結び付くものでなく、
直接的には関係がないから経費として認めないと判断されてきたのです。
この裁判が最高裁まで争われて確定したのが平成26年1月17日。
つい最近なのですね。

「事業の業務と直接関係を持つことを求めると解釈する根拠は
見当たらず、『直接』という文言の意味も明らかではない」

と最高裁判所も判断したのです。
つまり、
「従来の税務署の狭い解釈は間違っていたと最高裁も認めた」
のです。


この判決によって必要経費の考え方がガラッと変わったのです。
NHKではないですが、今まで落ちなかったものが
「これは経費で落ちる」のです・・・・。

おかげさまで頭にこびりついたサビがが落ち、
シャープな切れ味になった気がしています・・・。

 

 

2019年8月16日 (金)

税のタブー その2

次に政治家のお話。
そもそも政治家は年間約2200万円もの歳費を受けながら、
非課税の文書通信交通滞在費1200万円、これも非課税の
立法事務費780万円ももらえる訳で、これだけで年間6880万円!
これに政党交付金が一人4000万円!ということは
年間1億円もらっていても、課税されるのは歳費のみ。
「これはおかしい!」
と三木先生は実に手厳しい。

しかも、「政務活動費と称するセイカツ費」のカネの使い方が
常に問題になりますね。


面白い判決が今年5月に出ていたのですね。
千代田区で起きた「政務活動費の返還訴訟」ですが、
政治家のタクシー代の不正利用が明らかになったそうです。
今ではタクシー代の領収書にはGPSコードが印字されているため、
これで簡単にバレたんだそうです・・・。

Gps


知らなかったのですが、GPSコードが印字されていると
下車した場所が特定できるのです・・・。

 

こんな小さなお話は良いとして、大事なのは政治団体に対する課税。
これまさに「タブー」のお話です。
「ここまで書いていいのか!」と一番面白かったところ。

 

政治団体は、平成6年に、「政党交付金を受ける」ために、
法人格が認められました。
何と、昨日ご紹介した「公益法人」なのですね。
ご説明したように、「収益事業のみ」が課税されるのです。

でもその「収益事業の範囲」が問題であると。
政党が行う「パーティ開催費用」は、「収益事業に該当しない」
そうです。
「あれ!おかしいな??」
そう思いますよね。
昨日書いた
「宗教法人の神前結婚式は課税されませんが、挙式の後の披露宴は
課税されます。」
それとは違うのです。

しかし、そんなところはまだ序の口で、この政治団体こそが、
「脱税の隠れ蓑」なんだそうです。
(ただしすべて合法的なので当然脱税とは言えない・・・)

2000年5月に急逝した小渕元資金団体は「未来産業研究会」
というものでした。
亡くなった時の資金残高は2億6000万円。
小渕元首相の財産とするなら、通常の多額の相続税が課税されるはずですよね。

ところが、相続人である小渕優子氏が同名の「未来産業研究会」を
死後半年たってから設立します。
同日、旧研究会は解散されます。その時資産はゼロ。
何故なら、寄付支出が1億6000万円もあって、
その他すべて使い切っているのです。
その寄付された1億6000万円のうち、1億2000万円が
小渕優子の設立した新研究会へ寄付され戻されているというのです。

つまり、小渕優子氏は
「1億2000万円を無税で相続したことになる」のです。

これどう考えてもおかしいですね・・・。

一般人の相続税の計算は、亡くなった2000年5月時点ですから・・・。

 

「政治団体課税については、一度、政治家ではない学者たちの
検討委員会で法案をつくらせ、それを議会が承認しなければ
ならないようにすべきではないでしょうか。」

まさにそう思います。
その委員会の議長にぜひ三木先生がなっていただきたいですね。
副委員長には小泉進次郎・・・・!?

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