このクリニックはつぶれます! その3
書きたいことはたくさんあるのですが。
やはりこれは医療小説です。
ネタばれになっては申し訳ないのでまとめましょう。
面白いオチがありますが、それは読んでからのお楽しみ。
この作者は「都内の急性期病院で診療と研究に従事する。」
という身ですね。
開業医の実態を暴いているような小説です。
せっかく東大医学部に入った方ですからね。
東大病院という最高のステータスを得られるのでしょうから。
ゆくゆくは東大医学部の教授の身分も・・。
でもそれまでは、夜中まで働いて、論文執筆や
学会発表。
その後
「何十年という医局への奉公を終えて教授の
お墨付きを得たあと、ようやく大学を出ることを
許されるってわけ」
文中、大学病院で教授に強烈にしごかれ
結果的に過労死する医者も登場してきます。
でも
大学では、市中では到底見ることのできない
貴重な症例に出会え、多くの患者を診ることによって
医者としては成長するのでしょう。
その身分を捨てることによって、開業医という
違うステータス。
開業医の実態を暴いています。
「開業医は、医者の中の落ちこぼれって言われる」
ちょっと言い過ぎかとは思います。
「一介の開業医だと、複雑な疾患を治療する機会は
なかなかないだろう」
「開業医の仕事は単調と揶揄される。
大半の患者は高血圧と脂質異常症と風邪・胃腸炎。
決まった薬を出し続けるだけ。
手術も研究も論文もない。」
確かにそうなのかもしれないですね。
中山祐次郎さんの描く
「急性期病院で粉骨砕身して医学に身を捧げる生き方」
は実に素晴らしいと本当に思います。
きっと開業医は金儲けが下手なのでしょう。
2024年の調査で
「一般病院の約6割。診療所の約4割が赤字」
何だそうです。
医者を金儲けの手段と考えていない先生が
多いからこそそうなのかもしれません。
一方で、開業医の先生の中でも業務の傍ら必死になって
勉強されている先生も多いはずです。
「AIによる画像診断」
も急拡大しているそうですから、
研修や研究をされていかなければならないはずです。
つまり、開業医でも
粉骨砕身して医学に身を捧げる方もいらっしゃると
信じております。
いろいろ考えさせられる医療小説でした。
ちなみにこのシリーズの続きもうでています。
私は一晩で読んでしまいました。
これも面白いです・・・(オチは読んでからのお楽しみ)
(がんばれ! 粉骨砕身して医学に身を捧げる先生 シリーズ おしまい)
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