ほんまに「おいしい」って何やろ? その5
(京都のたん熊)
「開業時一日の売上が3500円とか4500円」
ここは飲食店関係の方は是非読んでほしいところですね。
「営業時間を夜中の2時まで延ばしていた・・・」
「夜のご商売の方に500円のさけ茶漬けを出していた」
いまや名割烹料理店。さけ茶漬けだって
5000円?はするのでしょうけど、
その500円のさけ茶漬けが原点なのですね。
ただここからの記述は実に京都らしい。
「そうやって京都の文化が守られているのか」
感心します。
「お前が生まれる前から菊乃井の客や」
という常連のおじいさんが通ってくれ
あれこれ注文を出します。
京都で老舗の若旦那を「ぼん」と呼ぶそうですが
その「ぼん」を助けあう文化があるのですね。
特に転機となったのは「たん熊」の店主が
毎日のように店に来てくれるようになったこと。
調べたのですが、「たん熊」とは
京都では有名な老舗店。
その師匠から
「自分なりの料理を作らんかい」
と言われたことで変わったようです。
(天竜寺 平田精耕老師)
また天竜寺の平田精耕老師もよく来てくれたそうです。
天竜寺と言えばちょうど今頃京都の紅葉の名所の
有名寺院ですね。
(天龍寺の紅葉)
平田老師は京都大学哲学科卒。
インド哲学と仏教哲学を学び、
さらにドイツ留学までされた方。
そんな高僧との人間的な触れ合いが実に面白い。
料理人は哲学にも素養がないとなれないのですね・・・。
他にも京都の美食宿「美山荘」の
経営者中東吉次氏。
京都老舗の「京都瓢亭」の14代目髙橋栄一氏。
皆師匠なんだそうです。
京都というのはそれだけ老舗のお店の「ぼん」を
助け合う文化があるということなのですね・・。
これは東京の料理人には簡単には
真似のできないことかもしれないですね・・・。
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