わが投資術 市場は誰に微笑むか その5
日経平均が4万円を超えた今こそ、
この清原氏の「遺作」を読んでいただきたいのですね。
本当に「遺言」のように思えます。
事実、咽頭がんの手術の後、5年間も筆談生活。
そこで彼は思ったのですね。
「私には後継者がいません・
私が蓄積してきたヘッジファンド運用の
ノウハウは後継者に承継されません。
それなら全部世の中に『ぶちまけてしまえ』
という気持ちになりました。」
これからヘッジファンドのマネージャーに
なりたい方がどれだけいるのか分かりません。
でもこの「新NISA」騒動で、にわか投資家が
世の中に増殖しているのです。
そういう方々こそ、この本を読んでいただきたい。
そして考えていただきたいのですね。
「長期分散投資すれば安全です」
そんな若手セールスマンの甘言につられて
安易に始めていいものかどうか。
「2007年12月~2009年2月」
リーマンショックの地獄絵図、弱り目に祟り目
ここを何度も読み返していただきたいのですね。
専門用語が多すぎて分らないかもしれません。
でも単純に表から、基準価格2700から300へと
9分の1になったことで分かるでしょう。
これが相場の世界です・・・。
「2004年、2005年に大量に流入した年金基金を
中心に、ファンドの顧客の解約が相次ぎ、我々は約半分の
投資家を失いました」
事実運用資産が1875億円から516億円にも
減っていますからね・・・。
どん底の記述が実になまめかしい。
「最後には私の銀行預金の約30億円をファンドに
ぶち込みました」
すごい相場師ですね。
いまや金融資産800億円と言われる清原氏ですが、
この勝負で負けていたら、ただの破産者です。
全財産を投資することなんて絶対にお勧めはしませんが・・・。
でもこのリーマンショックで解約しなかった顧客だけを
その後大事にしたのです。
ジョージソロスの名言。
「自分がすべきは残った顧客のためだけに
最高のパフォーマンスを目指すことだ。
新規の顧客の資金は高いパフォーマンスを
目指す上では邪魔だ」
「それ以来新規顧客の資金は一切受け付けていません」
ここは非常に感動しました・・・。
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