実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その7
この救済M&A戦略への方向展開への経緯が面白い。
「かつては地方に独特の豆腐文化があって、
そこにはすごい技術を名物社長がいて、
社長がつくる名物おとうふがあった。」
そうなのでしょう。
豆腐こそは日本の伝統文化の一つですからね。
でも
「そこに高度成長期がやってきて、大量消費が生まれる。
そこで必要とされるのは効率であり、規格化、画一化
による大量生産です。
独特さ、個性より価格だ、供給量だと、味や個性は
忘れ去られて、そうすると独自の技術も製法も
名物社長も不要になってくる。」
そうでしょうね。かつての相模屋食料が向かった方向ですね。
「特色よりもコストやキャパ、設備投資して均一の商品を
大量供給、価格で競争して・・」
間違いなくそうなりますね。
当然レッドオーシャン化して、負のスパイラルが始まる・・。
何だか豆腐産業だけに限らないお話だと思いながら
読んでいました。
救済M&Aをすることによって、かつて名物社長が作っていた名物豆腐を
復活させていくのですね。
実に面白いM&Aだと思いませんか。
2023年2月にグループ化した日の出(千葉)。
国産大豆だけを使って昔ながらの手作りの製法での
おとうふで支持されてきた会社。
経営難になってやはりここも救済した会社。
看板商品である「堅とうふ」。
なんと!「刺身のようなとうふ」らしいです。
「わざび醤油でたべるとうふ」なんだそうです。
何だか美味しそうですね。
しかし作るには、豆乳とにがりを攪拌するだけで
20分もかけ、さらには豆腐を絞る過程では
「自然脱水」といわれるやり方で30分もかけていた。
前の社長は効率化を求めるあまりに、
それを辞めてしまったのですね。
だから美味しくなくなり、売れなくなってしまった・・・。
経営判断の失敗ですね。
「業績が悪化して、手作りや原料へのこだわりは
捨てられないけど、効率を求めなければダメ」
銀行やコンサルタントの言うことを
鵜呑みにしてしまう・・・。
買収した日に鳥越社長はこういったそうです。
「あなたたちのとうふはこんなもんじゃなかったはずですよ。
うちよりうまかったじゃないですか。
あの日に戻ってください。」
社員としてはうれしいでしょうね。
「相模屋に買収されると、機械化されて量産品を作らされる」
というイメージがあったみたいでたいそう驚いたそうです。
それを言われたら社員も燃えるでしょうね・・・。
「堅とうふ」食べて見たくなりましたか。
« 実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その6 | トップページ | 実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その8 »
« 実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その6 | トップページ | 実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その8 »
コメント