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2024年2月15日 (木)

実家のとうふ店を400億円企業にした元営業マンの話 その7

この救済MA戦略への方向展開への経緯が面白い。

 

「かつては地方に独特の豆腐文化があって、

そこにはすごい技術を名物社長がいて、

社長がつくる名物おとうふがあった。」

 

そうなのでしょう。

豆腐こそは日本の伝統文化の一つですからね。

でも

「そこに高度成長期がやってきて、大量消費が生まれる。

そこで必要とされるのは効率であり、規格化、画一化

による大量生産です。

独特さ、個性より価格だ、供給量だと、味や個性は

忘れ去られて、そうすると独自の技術も製法も

名物社長も不要になってくる。」

 

そうでしょうね。かつての相模屋食料が向かった方向ですね。

 

「特色よりもコストやキャパ、設備投資して均一の商品を

大量供給、価格で競争して・・」

 

間違いなくそうなりますね。

当然レッドオーシャン化して、負のスパイラルが始まる・・。

 

何だか豆腐産業だけに限らないお話だと思いながら

読んでいました。

 

救済M&Aをすることによって、かつて名物社長が作っていた名物豆腐を

復活させていくのですね。

実に面白いM&Aだと思いませんか。

 

Photo_20240214184701

 

2023年2月にグループ化した日の出(千葉)。

国産大豆だけを使って昔ながらの手作りの製法での

おとうふで支持されてきた会社。

経営難になってやはりここも救済した会社。

 

看板商品である「堅とうふ」。

 

なんと!「刺身のようなとうふ」らしいです。

「わざび醤油でたべるとうふ」なんだそうです。

何だか美味しそうですね。

 

しかし作るには、豆乳とにがりを攪拌するだけで

20分もかけ、さらには豆腐を絞る過程では

「自然脱水」といわれるやり方で30分もかけていた。

 

前の社長は効率化を求めるあまりに、

それを辞めてしまったのですね。

だから美味しくなくなり、売れなくなってしまった・・・。

 

経営判断の失敗ですね。

「業績が悪化して、手作りや原料へのこだわりは

捨てられないけど、効率を求めなければダメ」

 

銀行やコンサルタントの言うことを

鵜呑みにしてしまう・・・。

 

買収した日に鳥越社長はこういったそうです。

 

「あなたたちのとうふはこんなもんじゃなかったはずですよ。

うちよりうまかったじゃないですか。

あの日に戻ってください。」

 

社員としてはうれしいでしょうね。

「相模屋に買収されると、機械化されて量産品を作らされる」

というイメージがあったみたいでたいそう驚いたそうです。

 

それを言われたら社員も燃えるでしょうね・・・。

「堅とうふ」食べて見たくなりましたか。

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