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2023年3月30日 (木)

キーエンス解剖 最強企業のメカニズム その7

「時間チャージ」

の考え方なのですが、簡単に言えば

「粗利をいかに効率よく取っていくか」

ということですね。

 

キーエンスを研究してみると

驚くべき事実を知ります。

 

 

キーエンスは、創業者滝崎氏が1972年に

「自動制御機器、電子応用機器の開発、製造販売」

として起業。

滝崎氏が自ら開発した

「金属板二枚送り検出器」

をわずか設立2年目でトヨタや日産の工場に

納入することができ、そこから急成長したのです。

この年から黒字化に成功。

しかもその時点から、営業利益の一部を社員に

還元する仕組みを始めたのだそうです。

 

つまり「時間チャージ」と「評価システム」の

原型がすでに出来上がっていたのでしょう。

その創業時の「自動線材切断機」の営業利益率は20%ほどです。

一般的には高い利益率でしょう。

 

でもそのわずか8年後の1982年に「自動線材切断機」を

完全に「撤退」しています。

理由は当時営業利益率が40%だったセンサーの

事業より収益性が低いから。

これも驚くべきことにその商品は一台もないそうです。

「付加価値を生み出すのは技術やサイエンス。

過去ではありません。キーエンスに過去は不要です。」

のちに滝崎氏が語っていることからも分かります。

これこそがキーエンスの哲学なのでしょう。

でも、中小企業で創業時手がけた商品を完全撤退するというのは

なかなかないのではないでしょうか。

 

同時に、当時売上高の20%を占めていたメーカーとの

取引縮小を決断。

特定の製品や企業に依存しないことで

構造的なリスクを減らしているから。

 

ここで当初の疑問。

たぶん誰もが思うところでしょう。

 

「ところでキーエンスは何を作っているの?」

 

そうなのですね。

村田製作所のCMで感じましたね。

「村田製作所は何を作っているのですか?」

まさにアレです。

 

「粗利の高いものを作っている」

 

それが答えなのでしょうか・・・。

でもこれこそが中小企業でお手本にすべきところでは

ないでしょうか。

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