キーエンス解剖 最強企業のメカニズム その7
「時間チャージ」
の考え方なのですが、簡単に言えば
「粗利をいかに効率よく取っていくか」
ということですね。
キーエンスを研究してみると
驚くべき事実を知ります。
キーエンスは、創業者滝崎氏が1972年に
「自動制御機器、電子応用機器の開発、製造販売」
として起業。
滝崎氏が自ら開発した
「金属板二枚送り検出器」
をわずか設立2年目でトヨタや日産の工場に
納入することができ、そこから急成長したのです。
この年から黒字化に成功。
しかもその時点から、営業利益の一部を社員に
還元する仕組みを始めたのだそうです。
つまり「時間チャージ」と「評価システム」の
原型がすでに出来上がっていたのでしょう。
その創業時の「自動線材切断機」の営業利益率は20%ほどです。
一般的には高い利益率でしょう。
でもそのわずか8年後の1982年に「自動線材切断機」を
完全に「撤退」しています。
理由は当時営業利益率が40%だったセンサーの
事業より収益性が低いから。
これも驚くべきことにその商品は一台もないそうです。
「付加価値を生み出すのは技術やサイエンス。
過去ではありません。キーエンスに過去は不要です。」
のちに滝崎氏が語っていることからも分かります。
これこそがキーエンスの哲学なのでしょう。
でも、中小企業で創業時手がけた商品を完全撤退するというのは
なかなかないのではないでしょうか。
同時に、当時売上高の20%を占めていたメーカーとの
取引縮小を決断。
特定の製品や企業に依存しないことで
構造的なリスクを減らしているから。
ここで当初の疑問。
たぶん誰もが思うところでしょう。
「ところでキーエンスは何を作っているの?」
そうなのですね。
村田製作所のCMで感じましたね。
「村田製作所は何を作っているのですか?」
まさにアレです。
「粗利の高いものを作っている」
それが答えなのでしょうか・・・。
でもこれこそが中小企業でお手本にすべきところでは
ないでしょうか。
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