男性中心企業の終焉 その6
「森発言は何が間違っていたのか」
この本では、例の森失言を徹底的に叩いています。
「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」
これを女性蔑視発言とされ批判されました。
この批判に対する本人の弁明は
「女の人はよくしゃべると言っただけだ」
浜田氏は
「本質的に何が問題だったか全く理解していない。」
とバッサリ。
でも、どれだけの人が森氏を笑えるでしょうか?
「森発言は間違いなく性別に対する無意識の偏見、女性蔑視
であることは議論の余地はないが、
『多様性の本質を理解していない』ということ」
世の経営者には、この「多様性の本質」ということに気がついて
欲しいということなのです。
この点、申し訳ないですが、何度も読み返し自分でも
ようやく理解できました。
スポーツ競技団体の上層部は、その競技の経験者によって
占められ、年齢や競技の成績の序列から、上層部に対して
「ものが言いにくい」空気に支配されるのです。
例えば陸上競技連盟で、瀬古強化部長に対して
早稲田大の後輩の大迫選手が会議で、
「MGC何てやめませんか!」
なんて思い切った意見は、絶対的に言えないのではないかと
思いませんか?
「後輩のくせに生意気だ!」
でおしまいですからね・・・。
スポーツ競技ならありうるでしょうね。
でも、そのせいかスポーツ界では、柔道界のパワハラ問題など
不祥事が相次いでいるのです。
だからこそ、女性やスポーツに関係のない外部有識者の
役員を増やそうという動きがあったのです。
それでも、「数合わせの女性理事」を置いても
意味はないですね。
それでも森氏は、発言しない女性理事たちを
「わきまえていらっしゃる」
とまで称賛していたのですから、とことんずれていたのです。
「この国では女性が意思決定に入りこめていない。
入ろうとすることを拒む壁があまりにも高い。」
「多様性の本質」
を理解していない人があまりにも多いということを
この「森発言」により世界に知らしめたのです。
根本的な理由として
「移民を受け入れようとしない日本は、ただでさえ
同質性の高い組織になりやすいから。」
なのです・・・。
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