« 農家はもっと減っていい その2 | トップページ | 農家はもっと減っていい その4 »

2022年11月 9日 (水)

農家はもっと減っていい その3

本当に久松さんは愛すべき人ですね。

脱サラの引き金を正直書いてありました。

 

「当時の羨望はただの『田舎暮らし』です。

環境への問題意識、現代文明への疑問、

都会への嫌悪、シンプルな生き方思考、

学歴が通用しないフェアな世界へのあこがれ。」

 

まあそれぐらいで辞める人もいまなら多いでしょうね。

会社に在籍していながら、まず研修先の農業法人へと

飛び込むのです。

1998年10月。結局名門帝人を

4年半で去ってしまうのですね。

 

思わず、帝人をEDINET検索してしまいました。

現在連結売上920億円。経常利益500億円。

立派な上場企業です。

現在の社長は1990年入社。

久松さんは筆も立つし語学ができたそうですから、

そのままいたら、きっと出世したのかもしれないですね。

今頃は部長くらいでしょうか・・・。

でもそんな人生を甘んじて受け入れる久松さんでは

きっとなかったのでしょう。

 

「有機農業が日本を変える」

当時彼はそう信じていたのでしょうから。

 

研修先は、

「80年代後半から90年代前半にかけて盛り上がった

いわゆる『第二次有機農業ブーム』の時に参入した農家」

 

「有機農業運動のど真ん中の思想を持って取り組んでいた、

というよりは、『ビジネスとしての有望性に惹かれて参入した口』」

 

農業研修で久松さんは大失敗をしてしまいます。

 

まず農業未経験の久松さんは畑ではまったくの「お荷物」。

 

「桑を使えばへっぴり腰だと笑われ、草取りの

スピードは周りに追い付けない・・・」

 

「フォークリフトの使い方が分からなくてかぼちゃを

100個以上ひっくり返してダメにした・・・。

『これがスイカだったらクビだから』と社長に

ニコリとせず言われた・・・」

 

結局農作業はあまりやらされずに、事務作業が大半に

なっていった・・・。

 

まあそうでしょうね。農業法人の社長さんも、

慶応経済学部出身で帝人勤めた「頭でっかちな」新人を

持て余したでしょうね・・・。

 

また面白いことが書いてありました。

 

あるときスタッフに

「今の久松さんが当時の久松さんに会ったら

どう思いますか?」

聞かれたそうです。

 

「もし当時の僕が今の僕に弟子入りを志願してきたら、

門前払いです。

口ばっかり達者で、行動が何もない。

『お前さんには無理だからあきらめなさい』

というと思います。」

 

これ読んで思いましたね。

「私も30年前の吉田が吉田事務所に今弟子入りを

志願して来たら門前払いするだろうか・・・」

 

31歳の早大卒で野村證券の高給取り。子供も二人。

「税理士業界を変えてやる!」

と意気込みばかりで、経理の経験もないし資格もない・・・。

まあ門前払いかな・・・。

 

でも、これこそが脱サラの醍醐味です。

分かるかな・・・。

分かんないだろうな・・・。(松鶴家千とせの古~いギャグ)

« 農家はもっと減っていい その2 | トップページ | 農家はもっと減っていい その4 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 農家はもっと減っていい その2 | トップページ | 農家はもっと減っていい その4 »