メガバンク銀行員ぐだぐだ日記 その2
2002年4月1日。その名門三銀行が統合する所から
物語は始まります。
いきなりATMが動かない・・・。
なぜシステム障害が起きたのか・・・。
「三行により経営統合は、3年かけて準備が行われた。
三行はこの準備期間中、人事を凍結して、つまり昇格、
昇給を停止して、経営統合を最優先にしようという
『紳士協定』を結んでいたらしい」
「それなのに経営統合を前に第一勧銀は総合職の職位を
引き上げていた」
これは結構な曝露話ですね。
第一勧業銀行は名前の通り、合併された銀行ですからね。
合併の後には、どういうことが起きるか分かっていたのでしょう。
それに対して、富士銀行や日本興業銀行は合併初体験。
「それだけでなく、準備期間から水面下では三行による
マウントの取り合いが始まっていた。社長は誰になるのか。
役員の割合をどうするのか。駅の近くの支店はどちらを
残すのか。」
まあこれはサラリーマン的な発想では当たり前でしょうね。
超一流大学を出て、学閥派閥がはびこる名門銀行に
入行できたのです。
幹部の方々はその出世競争に勝ち残り、部長や役員なった方々ばかりです。
あとは
「ハンコ押すだけの楽な仕事。毎晩接待で毎週接待ゴルフの天国生活。」
サラリーマンとしては頂点を極める寸前だったのですからね。
このあたりが、なぜみずほ銀行が「グダグダ」になったのか
想像つきますね・・・。
ただここで非常にショッキングなお話。
「マウントの取り合いは、システム導入にあったっても
行われた。統合時、人事権を第一勧銀が握ったことで、
システムも第一勧銀のものと切り替えられる予定だと聞いた。
それは富士銀行のものよりずいぶん遅れているシロモノだった・・」
統合から9年目あの3.11が起き、さらなる悲劇が起こります。
またシステム障害・・・。
これで2回も深刻なシステム障害を起こしたのですね。
みずほ銀行は再起を図り、巨額を投じて新システムを開発したのです。
まさに社運を賭けたプロジェクト。
投じた金は4千数百億円・・・・。
東京スカイツリー7本分。
開発規模は「35万人月」・・・。
「人月」とはIT業界の用語ですね。1カ月の作業を人月と呼ぶのです。
ちょっと想像つかないでしょうけど、
システム屋さんのための統合だったのでしょうか・・・。
それでも起きてしまった3度目のシステム障害。
これは最近2021年2月28日。
このシステム障害の責任を取らされたのが
二人のトップです。
ちょうど私と同年代の超優秀な東大法学部卒と早稲田商学部卒。
可愛そうですね。
統合なんてなかったら、楽しいエリート銀行員生活と
素晴らしい余生が待っていたのに・・・。
もう最初から統合なんて無理だったのでは
と思ってしまいますよね。
今までドブに捨てたシステム開発費を考えたら
その資金でもっと他のことができたのではと思ってしまいます。
どうして「統合」なんてしてしまったのでしょうかね・・・。
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