帳簿付けたら「事業所得」 その2
国税当局がなぜこんなに「事業所得」を目の敵にしているか
分かりますか?
事業所得と雑所得の決定的な違い。
黒字と赤字を相殺する「損益通算」というのが
事業所得は「できる」のに雑所得は「できない」のですね。
国税当局は、サラリーマンが副業で多額の赤字を計上したうえで
「損益通算」して本業の所得を減らす「副業節税」を以前から問題視
しているからなのです。
例えば、年収2000万円の高収入サラリーマンが、
副業と称して何かやって、仮に赤字が300万円出たと
しますね。
そうするとサラリーマンとしての給与所得から300万円を
引けるのです。
そうなると多額の還付を受けられるのですね。
「副業節税」というのですが、目的が節税のためだけとしたら、
まさに問題なのです。
だからこそ国税当局は300万円というバーを設けて
「そもそも300万円も収入ないのだから、ダメですよ。
『事業』所得ではなく、『雑』所得とみなしますから
損益通算は認めません」
としたかったのですね。
もっと分かりやすい言葉で言えば、
「商売」ではなくて、単なる「趣味」でしょ。
ということですね。
極端なお話で、もっと分かりやすく説明しましょう。
年収2000万円の高収入サラリーマンが「メルカリ」で
自分のものを売買しているとしますね。
これを「事業所得」としてわざと申告するのです。
経費には、
「キャバクラの領収書をこれは『打ち合わせということにして』
経費にしよう」
「新幹線のチケットをこれは『買い付けに行ったということにして』
経費にしよう」
そうやっていったら結構簡単に赤字は出せるのですね。
別に脱税を指導している訳ではありません。
高収入サラリーマンが考えそうなことを書いているだけです・・・
高収入サラリーマンは頭がいいからそれだけ稼いでいるのです。
そういうことを思いつく人もたくさんいるのでしょうね。
そこでこのパブリックコメントを出したのです。
7000件超の意見が寄せられたのでした。
この「副業節税」に網を掛けようとしたところ、
「今回の通達改正は、副業を推進する政府方針に逆
行するものではないか」
この指摘が一番効いたのでしょうね。
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