インボイスで免税事業者はどうなる? その8
次に課税事業者になってもらう場合ですね。
もう一度「悪徳」元請業者に登場してもらいます。
これではダメなのですね。
「価格交渉」
ということがキーワードのようです。
「いくら価格を引き上げてもらえばいいか」
もう少し具体的に説明しましょうか。
建設業の下請さんがいたとします。
(材料などか会社から支給されるまさに工事の下職さんとします)
毎月50万の仕事を今では消費税含め55万円で元請業者に
請求していました。
月収55万円×12ヶ月で、年収660万円ですね。
今までは免税事業者です。
1000万円以下ですので、消費税を払わなくって良かったのです。
でも元請業者の要請により、インボイスを発行するべく課税事業者に
なりました。
さていくら消費税を納めるのでしょう。
ここで必ずある間違いです。
消費税を納めるということは、5万円×12ヶ月=60万円
取られると思うのですね。
間違っても仕方ないです。消費税は10%取られますから
納税も10%かと思うのです。
ここは元請業者から下請業者にキチンと指導しなければ
ならないところですが、「簡易課税」というのがあるのですね。
建設業の下請業者は第4種事業に該当することが多いです。
説明で(材料などか会社から支給されるまさに工事の下職さん)と
入れたのはそのためです。
第4種の場合は消費税の60%控除可能です。
ですから
預かった消費税60万円から60%引けるのです。
そうすると
60万円―60万円×60%=24万円
24万円ですね。
月に2万円の納税がかかってくるのです。
つまり10%の消費税のうち40%だから計算すると
4%が納税額なのですね。
ここなのです。
ここを含めた上で価格交渉ができるかなのですね。
ここはまさに「誠意をもって」下請業者と交渉となるのでしょう。
景気の良い元請業者なら、
「今後皆様に売上の4%相当を消費税負担してもらわなければなりません。
よって来年の10月からは単価を4%引き上げさせていただきます。
ぜひとも課税事業者になってインボイスを発行お願いします。」
こういえたら実に「カッコイイ」ですね。
もっと正直に下請業者にお願いするかもしれません。
「本当は価格を引き上げて皆様に課税事業者になってほしい。
でもウチも苦しいのです。分かってください。
でも売上の4%を『販売奨励金』としてバックしますので
今後は課税事業者になってください。
お願いします」
腹を割って頭を下げるしかないかもしれません・・・。
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吉田さんの顧問先は簡易課税ばかりだから、インボイス対応なんて
全く問題ないのでは?
投稿: 野口大樹 | 2022年10月 2日 (日) 03時41分
野口大樹様
コメントありがとうございました。
心配していただき恐縮です。
当事務所にはもちろん免税事業者の方々が多くいらっしゃいます。
また免税事業者を使う建設業なども得意先にあります。
インボイス後も双方良くなるように考えている次第です。
これからも応援よろしくお願いいたします。
投稿: 吉田信康 | 2022年10月 3日 (月) 09時25分