心 その4
「開発を成功させる秘訣は『あきらめないこと』」
このお話は好きな箇所です。
いろいろな本でも読みました。
小さな町工場としてスタートした京セラが国内外の注目を集め、
飛躍的な発展を遂げることができた有名なきっかけが
あるのです。
京セラを語る上で重要な物語ですね。
稲盛さんを紹介する記事には必ず出てきます。
世界的なコンピュータメーカーであるIBMから、
当時の大型汎用コンピュータの中枢に組み込まれる
部品の受注を受けたのですね。
受注はできたものの
「仕様書に書かれた品質基準は、当時の技術水準に比べて、
桁違いに高く、寸法の精度もこれまでかかわってきたものの
十倍以上に厳しい・・・」
しかも
「つくるための設備はもちろん、でき上った部品の性能を
測定するための機器すらありません・・・」
これでよく受注できたと思いませんか。
もちろん、連日工場に泊まり込んで、社員と寝食を共にしながら
あらゆるプロセスを指導監督。
それでも試作品は「不良品」ということですべて返品。
ここで「あきらめない心」ですね。
受注から合格通知が来たのは7カ月後です。
並の製造会社ならツブレテいたかもしれないでしょうね。
その間当然売上もまったくないのでしょうから・・・・。
それから工場を24時間フル稼働させて、膨大な量の製品を
期限までに納入することができたのですね。
京セラ最高の美談として語り継げられているお話です。
この「ネバーギブアップ」は稲盛さんがあちこちで
いわれることですね。
「ネバーギブアップの精神とは、予期せぬ障害に阻まれ、
『もうダメだ』と倒れ込んだその場所から、土埃を払って
再び立ち上がり、事の成就に向けて何度も静かにやり直すことが
できるということ」
この心のありようをぜひ学んでください。
この「ネバーギブアップの精神」でできたのが、
「再結晶宝石」の事業だったのです。
京セラというとファインセラミックスの会社と言われますが、
その技術を応用して宝石も作っていたのですね。
なかでもエメラルドは、当時上質な原石が採れなくなってきたので
質の悪いものが高い値をつけていたことで注目したのです。
しかし、開発してもいっこうに商品化できません。
それでも地道に研究開発を続けたそうです。
結局7年もかかって製品が完成したのですね。
稲盛さんが左手の薬指にエメラルドの指輪をつけているのは
有名なお話なのですが、それこそ初めて採れた記念すべきもの。
「あきらめずに挑戦しつづけた従業員たちの思いの結晶」
なんだそうです・・・。
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