心 その5
JALの再建のお話は稲盛さんを語る上で、絶対に外すわけにはいけませんね。
今から12年前の2010年。
戦後最大の負債額を抱えて経営破綻した日本航空(JAL)。
日本政府から要請されて、会長に就任。
誰もが不可能と断じたその再建を見事に果たしたのですね。
当時78歳ですからね。
京セラ社内では「晩節を汚す」と反対されたそうですから、
この方の強烈な「善なる動機」は素晴らしいですね。
何度も書きますが
「何事かをなそうとすれば、いかなる困難にも負けず、
果敢に突き進む強い意志、何があっても成し遂げるという
すさまじいまでの熱意」
並の78歳ではなかったのです。
このお話実は前にもアップしたのですね。こちら
でもこのお話は間違いなく、後世にも語りつけられるはずでしょう。
この「熱意」を従業員に待たせたことが再生のきっかけに
なったのです。
「ウチの従業員にも待たせてほしい・・・」
そう願っている中小企業の経営者も多いでしょう。
そう思うならぜひ実践してください。
「従業員たちが自分の都合や欲得よりも会社にとって
何が大切かを考え、その思いに基づいて自ら行動を
起こしてくれた。
起業再生の原動力となったのは、そうした従業員の『心』の
ありようであり、彼らが一貫して揺るぎなき熱意を持ち続けてくれた」
だからこそJALは再生できたのです。
会長に就任して全社員に向けて最初に紹介した言葉です。
「新しき計画の成就は、ただ不屈不撓の一心にあり。
さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に」
この言葉噛みしめてください。
哲人「中村天風」氏の言葉です。
かつて京セラでも掲げていたスローガンなのです。
このまま真似して会社で飾ってもいいのでしょう。
再生開始してまず始めたことは、1カ月間のリーダー教育。
これは本当に大変だったのだと思います。
人員削減や路線縮小など厳しい報道がなされていましたからね。
二次破綻さえ噂されていた当時ですから。
これも本でご紹介しましたが、
「年収3000万円のパイロットが待遇改善を求めて
会社と争っていたくらい」のもう「ボロボロの」状況。
そんな危機的状況下で
「何事をなそうとも、いかなる運命を歩もうとも、
私たちが生きている限り、目指すべきものは、他に
よかれしと思い、他のためによきことをなす『善なる心』です。
それは、『真・善・美』という言葉でいい表すことのできる、
純粋で美しい心」
どうでしょうか。
まったく聞く耳持ちそうもないくらい、すさんだ従業員の心に
強烈な熱意をもって語り掛けたのです・・・。
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