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2022年9月 5日 (月)

値決めは経営

 先週稲盛さんの名著「京セラフィロソフィー」をご紹介して、

久しぶりに読んでしまいました。

 

このウクライナショックや円安の影響で、あらゆる資材、食材が

値上がりしていますね。

これをどう価格に転嫁していくのか、今こそまさに経営者の責任、手腕なのです。

 

「『この値段なら結構です』とお客様が喜んで買ってくれる値段、

しかもその一番高いところを見抜く知恵、技術なのだ」

 

好きな箇所です。

今まで何度も読み返しました。

 

でもさらに読み直すと、また新たな発見があります。

 

「『値決めは経営なり』と私は言っていますが、それを決めるだけを

指すのではありません。値決めが経営の本質であるなら、

そのプロセスである、仕入にも責任を持ちます。

製造のコストダウンにも責任をもちます。」

 

 

「すなわち、値決めを行う瞬間に、もうコストダウンの方法を

考えていけなければならないわけです」

 

コストダウンの方法を考えずに、やみくもに値上げすることは

許されないのでしょう。

 

「円安だから仕方ない」

 

「食材が値上がったのだからしかたない」

 

と安易にあきらめてはいけないのでしょう。

 

もう一つ大事な稲盛さんの教え。

「『原価+利益』=売値という原価主義は取らない」

これも何度も読み返した箇所ですが、分かりますか?

 

「原価率・・%」でなければならないという考え方は

しないということなのです。

「つまり、売れる値段とは、マーケットが認めてくれる製品の価値

で決まってくる」

 

どういうことでしょうか?

昨日たまたま面白い番組やっていたので、それを例に説明しましょう。

「つぶれない店」という番組で、栃木県のサンドイッチの繁盛店が

東京進出するお話をやっていました。

 

20220905-084139

 

お店のインスタからですが、 こちら

美味しそうですね。

栃木の獲れたてのいちごをふんだんに使ったフルーツサンドが

大人気なのだそうです。

いかにも、

「料理大好きな家庭の素人の主婦がたまたま当たった店」(失礼!)

という感じで、オーナーと称する女性が出ていましたね。

実に美味しそうなのですが、

「原価率はいくらですか?」

というMCの質問に

「50%超えることも・・・」

これ聞いて皆絶句ですね。

この原価率で、東京の高い家賃を払って

さらに人件費はとても賄いそうにありません。

 

20220905-084231

 

番組的に面白くするために、

「天ぷらそばサンド」

というのも紹介していましたが、この定価650円。

プリプリのエビが入っていて、

「この原価いくらだよ!」

と突っ込みたくなるところ・・・。

一日80個くらい売れて大成功!という番組的には盛り上げていましたが、

650円で一個当たり仮に300円儲かって、そこから販売手数料払って

そうなると一日の利益はたぶん1万円くらいか・・・。

 

なかなか難しそうですね。

もちろん、東京では有名なサンドイッチ屋さんは当然多いのです。

 

20220905-085703

 

 

写真は東京駅のエキナカで有名なメルシー。

東京でもフルーツサンドのお店はたくさんあります。

こういう繁盛店の中での勝負です。

 

「売れる値段とは、マーケットが認めてくれる製品の価値」

 

もっと美味しいサンドイッチにして、ブランド力を高め、

1000円出しても喜んで買ってくれ商品にするか、

さらなるコストダウンの方法も決めてから

進出しないと、絶対に勝てないということでしょう。

 

栃木のサンドイッチ屋さんも頑張ってほしいと思います。

料理の天才だと思うし、何より

本当に美味しそうですから・・・。

 

でもこれを参考に、価格転嫁で悩んでいる経営者は

「京セラフィロソフィー」を何度も読み返してください。

 

「値決めは経営・・・」

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