永守流 経営とお金の原則 その9
いろいろ書きたいことは、たくさんあるのですが
そろそろまとめましょうか。
日本電産の永守会長については、かなり学ぶべきことは
多いでしょうね。
京セラの稲盛さんとともに、京都が誇る名経営者と
後世に語り継がれるのでしょう。
この本の最後の「経営者のための10か条」
これをご紹介して終わります。
この本はココだけ読むだけでも十分に価値があります。
(1) ベンチャー経営者の資質を鍛えよう
いの一番に「経営者の資質」を掲げ、一番力説されています。
資質として7つ挙げています。「稲永守経営術」の要諦です。
① 大胆にして繊細であれ
大胆だけではダメなのですね。「繊細さ」や「緻密さ」が必要なのです。
② 将来に夢が持てる人間
経営者には「夢とロマン」が必要なのです。
③ 自分の出来ないことは他人を信頼して任せる度量
何でもかんでも、自分が、自分がではダメなのです。
④ 仕事が大好きだということ
まあ、これはそうでしょう。
⑤ 精神年齢が若いこと
若さとは革新性であり、挑戦であり、フランクさ。
「社長になったら立派な社長室に入らなければならない、というように
メンツを重んじるのは、年老いた人間の発想である。」
(これはなかなか面白い!!)
⑥ 人に好かれるような人でなければならないし説得力も重要
永守会長の理想は豊臣秀吉。人心掌握にたけ、
説得力も群を抜いていた「人たらし」。
⑦ 経営者は自己の健康管理を厳重に行うべき
永守会長は、ずいぶん前に酒をやめ、たばこもやらず、
とにかく身体に悪いと言われるようなことは
すべてやめたそうです。
これには耳の痛い経営者も多いでしょうけど・・・。
(2) 何でもするという覚悟を
経営者は絶対に会社をつぶさないためには、
どんな泥でもかぶる覚悟が必要。
(3) スペシャルマーケットを狙え
たとえ売値を高くしても買ってくれる客を探すこと。
そのためには、付加価値が高く、他にはない商品やサービスを
提供すること。
これは本当にいいこと言っていると思います。
(4) 技術だけでは会社伸びない
技術は五番目、六番目。一から四まではマーケティング。
永守会長はモーターの技術者としては超一流だったそうです。
そういう方から「営業こそ大事」といわれると違います・・・。
(5) 基本方針は常に反芻・確認する
大きな決済は月曜日に行うと決めてきたそうです。
当然日曜日に1日かけてじっくり一人で考えるのです。
それ以外の通常の意思決定は原則1分以内で行います・・・。(すごいです)
(6) 創業後5年間の財務戦略は安全第一
会社を伸ばそうと考える前に、絶対につぶしてはならないと
考えるべき。これもこの本読むと実に説得力がありますね・・・。
(7) 社員に数字意識を植え付ける
特に社員にコスト意識、原価意識を鍛える必要。
(8) よきハンターはよき調教師たれ
創業以来、いい人材を見つけるとどんどんスカウトしてきたそうです。
そういう能力の高い優秀な人材を採用するとともに、
会社の将来性について全精力を注いで説明し、チームワークで
企業を発展させることの大切さを力説してきた・・・。
これは非常に良いこと言っていますね。
(9) コスト意識を社内に徹底させる
経営者自ら経費チェックを。
(10) 経営者としての倫理を守る
絶対に公私混同してはならない。
「会社のお金で大変なご馳走するより、社長が自分のポケットマネーで
赤ちょうちんの一杯飲み屋で安物の酒と焼鳥を振舞う方がはるかに大切。
お金の出どころを社員はよく分かっているから。」
なかなか最後にいいこと言いますね・・・。
しばらく日本電産研究も続けましょう・・・。
(がんばれ! M&Aのプロ中のプロシリーズ おしまい)
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