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2022年7月 6日 (水)

永守流 経営とお金の原則 その8

 

M&A成功の極意」

 

この本の中でとりわけ重要なところはこの箇所でしょう。

ご紹介した通り、日本電産は国内外合わせ67社ものM&Aを

やってきた会社です。

しかも67勝ゼロ敗。

ということはどういうことかというと、

買った会社を再建できずに破綻させたこともないし、

のれん代の減損処理に追い込まれたことは一度もないのです。

まさに、日本でナンバーワンのM&Aのノウハウを持っているのです。

いわば「日本一の再建屋」なのです。

 

ここで一般の中小企業が日本電産のように、

すぐに企業買収で拡大しようなどということは

無理かもしれません。

でもこのコロナ禍、インフレ、円安、ウクライナショックで

企業は完膚なきまでに叩きのめされているのです。

中小企業経営者なら誰でも

「企業をどうやって再建したのか?」

ここを一番知りたいと思いませんか?

 

再建するノウハウがあってこそM&Aなのですから。

 

日本電産が初めてM&Aを実施したのは、創業して10年あまりが

経過した1984年。

私が大学を卒業して某野村證券に入社した年ですね。

よく覚えていますが、M&Aなんて事案がまだまだあまりなかったように

思います。

野村證券もその頃「野村企業情報」いうM&Aの会社を作って

手掛け出したころでしたね。

後藤光男さんという業界では有名人(いろいろな意味で)が

社長を務めていて、研修の時にしか顔をみたことがなかったですね・・・。

その「野村企業情報」は野村本体が吸収合併したと聞いています。

 

そんな状況だから、

「日本の銀行員の多くは当時、M&Aが何なのかも十分に

理解していなかったようだ」

まあそうでしょうね。

ましてや地方銀行の京都銀行にそんなノウハウがあるはずが

ないでしょうから、ここでも京都銀行と戦ったのでしょう。

 

M&Aは成長のための時間を買う戦略である。」

 

確かにそうでしょうね。

でもハッキリ書いてありました。

M&Aほどリスクが高い投資はない。」

 

「ベンチャー企業はどのタイミングでM&Aの戦略に

動けばよいか?」

よく上場公開した新興企業が、増資であまったカネで

中小企業を買いあさるようですが、これをハッキリ

批判していますね。

 

「少なくとも相手企業より、収益性や財務の健全性など

総合的な力が上回っていない状態では厳しいだろう。

例えば、営業利益率が10%前後に達し、安定して利益を

出せるようになってから動くのが望ましいい。」

  

次が重要です。

「とりわけ重要なのは買収後の統合作業

(PMI ポスト・マージャー・インテグレーション)」

 

 「経営が悪化した企業をM&Aで傘下に収めた後も、

相手先の従業員を解雇せず、意識改革によって経営体質を

改善させて再生する手法をとっている」

 

本体の経営に余裕がないと十分な経営再建はできないから。

 

 「M&A成功の3条件」

 

これも参考になりますね。

① 価格

② 会社のポリシー

③ シナジー

 

特に①価格 なんだそうです。

税引前利益に支払利息や減価償却を加えた金額

EBITA)Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization

が10倍を超えるものには手を出さないと決めている。

勉強になりますね。

「日本のM&Aの価格は高すぎる」これも批判しています。

 

日本で最高のM&Aのプロに言わせたら

買収価格は利益の10年分までなのだそうです・・・。

ご自分の会社がいくらで売れるか計算してみてください・・・。

 

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