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2022年6月30日 (木)

永守流 経営とお金の原則 その4

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京都の偉大な経営者といえば京セラの稲盛さんですね。

日本電産は1973年創業。1959年創業の京セラとでは

そもそもスタート地点で違います。

しかも稲盛氏は1932年生まれ(申年)

永守氏は1944年生まれ(申年)で

ちょうど一まわり違うのです。

 

「同じ創業経営者として尊敬するとともに、超えるべきライバルとして

闘争心を燃やしてきた」

 

一回り年上の大先輩を「ライバル」と言い切るところが

すごいと思いませんか。

最初に出会った頃は、創業して10年ほどたったころ。

まだまだ駆け出しのベンチャー企業だった日本電産に対して、

京セラはその頃にはすでに大変な勢いがあり、

稲盛氏の名前も轟いていました。

会食が終わっても当然のように会社に帰って仕事するくらいで、

稲盛氏のハードワークぶりに驚いたというのです。

 

「成長企業のトップはこうでなければならないのだと、

さらに仕事への情熱を燃やした」

 

経営の原点として永守氏の掲げる言葉

 

「情熱、熱意、執念」

「知的ハードワーキング」

「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」

 

この経営の原点「三大精神」は

京セラを追いかける中で出来たのです。

 

素晴らしいですね。

でも、私も稲盛教の熱心な信者ですから、

稲盛さんの著述はすべて読んでいます。

だから、どこか稲盛氏の経営哲学と似ていると

感じるのです。

 

ただ「経営観はまったく同じという訳ではなかった。

M&Aへの考え方も違ったし、経営とはもっと泥臭いものだ」

と思っていたそうです。

 

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永守氏が30周年記念として新社屋を建てた記述が

実に面白い。

京セラが95メートの新社屋を建てた直後に、

なんと100メートルの新社屋を建てたのです。

竣工式に当然稲盛さんを招待した訳です。

 

稲盛さんは「社長室を見たい」と言われ案内したら、

部屋の中にある一つの植木に目をとめ、

 

「社長室になんで植木がおいてあるのか」

 

と質問されたのです。

 

「これは買ったものでなくて、新社屋のお祝いで

いただいたんですよ」

 

これはそうでしょうね。

新社屋でなくても、創業…年のお祝いで胡蝶蘭が

社長室に飾ってあることは良くありますね。

 

でも次に放った稲盛さんの言葉。

 

「もらったものだといっても、この植木に毎日、

水をやらないといけない。

この植木が枯れたたときには捨てに行く必要がある。

それは誰がやるのか。

そんなことをやっていたら、日本電産はいつまでたっても

京セラを追い越せないよ」

 

驚きますね・・・。

お祝いでもらったものでも、そこからコストが発生するのです。

 

「そこまでコストに敏感な稲盛さんの姿勢に、

京セラの強さを改めて感じた」

 

遠い存在だった京セラに対して、強烈な闘争心を絶えず燃やし続けてきたことで

日本電産は成長することができたのも事実です。

 

日本電産の連結売上高は2021年3月期に約1兆6200億円。

一方京セラは1兆5300億円。

ついに初めて追い抜いたそうです・・・。

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