永守流 経営とお金の原則 その3
「ゴミ箱チェック」
驚きましたね。
こんなことやる経営者を初めて聞きました。
今後は大事な「ネタ」としてあちこちで言いふらしましょう。
「原始的なやり方のように思われるかもしれないが、
コストについて考えてもらうための非常に効率的な方法」
と真顔で言い切っています。
社内のコスト意識を徹底するために
「経費チェック」こそが、この会長の経営とお金の基本のようです。
「電気代や水道代、さらにコピー代から事務用品の代金まで、
私が自ら会社の伝票を1枚1枚すべてチェック」
これ実際にやるとなると大変でしょうね。
「始末屋」と言い方されていましたが
これは京都独特の表現でしょうか。
通常「始末屋」とは、「むだをしない倹約家」ということですね。
京都の方独特の考え方とも言えますね。
東京では「しまりや」とも言うこともあります。
でも、多少悪意的に「けち」、「しぶちん」という意味が出ますね。
でも、この「始末屋」というのは経営的に大事な考えなのでしょう。
京都に優れた経営者が多いのも、こういう風土からくるのかもしれませんね。
この永守会長はM&Aのプロ、優れた事業再生屋でもあるのです。
事業破綻した企業を再生するために、この「始末屋」の発想で
取り組みます。
これは学んでいただきたいところなので、詳しく紹介しましょう。
「1円稟議」
買収した企業の経費については、1円からすべて永守会長が
チェックした上で承認。
驚きませんか?2兆円企業のトップ自らが1円稟議とは・・・。
「Kプロ」
文字通り経費削減のためのプロジェクト。
赤字企業は経費の管理が極めて甘くなっているからです。
「Mプロ」
このMは何だか分かりますか。「まけてくれ」のMですね.
取引先と交渉したり、超多雨策を絞り込んだりして、部材の購入費を
なるべく下げ、同時に生産や設計方法を見直して部際のコストを
朝得るのだそうです。
因みに永守会長の経営理念「勾配こそエース級の人材を配置すべき」
これ納得しますね。
中小企業で赤字に陥った会社があったら、まず
「1円稟議」、「Kプロ」、「Mプロ」を実施すべきなのでしょう。
経費削減で感動的なお話が出ていました。
2008年のリーマンショックの時ですね。
ダブル・プロフィット・レシオ(WPR)という
プロジェクトを始め、コスト改革に徹底的に取り組んだそうです。
これどういうことかというと
「売上高が半分になっても営業損益が黒字になるための
コスト改革で、売上高が以前の水準に戻れば、
利益は2倍になる」
この時社員から幅広く集めた業務の改善案は
数万項目になったそうです。
製造現場でのライン構成の見直しや設備の削減、
原材料費の調達方法の変更など幅広い内容です。
コストを本当に下げようと思ったら、事業のやり方を
根本的に見直す必要があるからです。
これもう少し解説すると、永守氏の「井戸掘り経営」という発想。
井戸の水はくめばくむほど湧いてきますね。
「経営改善のアイデア、コスト抑制のアイデアも、この井戸掘りと同じ。
たくさん掘るほど新しいアイデアが出てくる」
こういう経営手法からです。
すごいですね。
これによりリーマンショックを乗り越えましたが、
次々とWPRを進化せていきます。
3.11の直後2012年度に第2回目、
このコロナ禍でも2019年度第3回目、2020年度第4回目。
これにより日本電産は、より強力な財務基盤が
確立されたのではないでしょうか。
ダブル・プロフィット・レシオ(WPR)をさっそく真似してください。
因みにダブル・プロフィット・レシオ(WPR)は
すでに商標登録されているそうです・・・。
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