« 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その1 | トップページ | 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その3 »

2022年5月10日 (火)

倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その2

 

B to B』から『B to C』??

 

これ難しいでしょうか。

 

「要するに儲からない『出版業』辞めて『ネット葬儀屋』?

に手を出したのでは?」

 

と思ったでしょうか?

最初の着眼点としては良かった訳です。

でも残念ながらすぐ収益化はできなかたようです。

このあたりぜひ学んでいただきたいのですね。

 

まず、鎌倉新書は、「葬儀のマナー等を解説したマニュアル本」

の制作を始めたのです。

これの販売先は葬儀屋です。なんだ。まだ『B to B』だったのです。

これは評判が良かったらしいです。

ここで清水社長はもがき苦しみます。

 

そもそもというか葬儀関連ビジネスのマーケットの

特性なのでしょう。

これはこの本で勉強になりました。

 

 

今でこそ「終活ビジネス」として脚光を浴びていますけど、

そもそも「葬送業界」や「石材業界」なんて

業界的には極端に古そうですからね。

 

「寺院・葬儀社・石材店といった供養業界は、まずもって因習や

地域社会に根強くしきたり、あるいは宗教的な戒律に

基づく習慣に縛られてきた・・・」

 

そうなのでしょう。

寺院や葬儀社が、「ネットで広告」何て発想なんてある訳ないでしょうからね。

 

「閉鎖的かつ封建的な文化に色強く染められている」お寺さんがネットで

 

「法要30万円パック!お安くします!!」

なんて出せる訳がないでしょう。

 

もっとハッキリ書いてありました。

 

「情報をオープンにされて、フェアにやられると困ると

いう人もいるし、何代に渡って築き上げてきた利権を

失いたくないという人も少なくない」

 

「戒名の料金のこと一つ考えても容易に想像できるだろう」

 

そうなのでしょう。

葬儀料って一般的には高いのです。

それをネットで極端に安くやられては困るという人が

多いということなのです。

それこそ「戒名料」って何? ということにも

つながるからですね。

 

しかし、実にチャレンジングですね。

この封建的な古い体質の葬送業界に攻めていきます。

2000年、全国の葬儀社を探せるポータルサイト「いい葬儀」の

サービス提供をスタート。

 

鎌倉新書は終活関連サービスを、誰よりも先駆けて

インターネットで提供し始めたのです。

 

「開始から2年間のデジタル部門の売上はほぼゼロに

近かった」

 

そうなのですね。

保守的な業界から猛反発食らったのでしょう。

新ビジネスはそう簡単ではないのです・・・。

« 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その1 | トップページ | 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その3 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その1 | トップページ | 倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたか その3 »