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2022年5月24日 (火)

人生の経営 その5

20220524-114558  

 

 

「社内の肩書よりも自分のバリューを引き上げよう!」

 

どうやらこの本の結論のようです。

 

「違う部署への異動も『社内転職』をしたと思えば、自分の引出を

増やすことができる。結果的に自分のバリューを引き上げることが

できる。仮に別の会社に転職することになったとしても、

そこで生きていける武器を手に入れることができる」

 

 

出井氏の経歴から重みのある言葉ですね。

自分のバリューさえ引き上げておけば

左遷だって怖くないといいたいのでしょう。

 

 

文系だった出井氏は、製造業のソニーという理系中心の会社に

入りますね。

井深さんが起草した有名な「東京通信工業」の会社設立趣意書

 

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき

自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

 

つまり、もともとはハイレベルな技術者が集まるエンジニア集団だった

わけで、当然エンジニアに重きを置かれていた会社でした。

まず海外法人の設立のために、日本から放り出され,

ここで海外から日本を見ることができたし、

金融を学ぶことができた。

日本に戻って、オーディオ事業部、コンピュータ事業部と

『社内転職』を繰り返して、自分の間口を広げ、

バリューを広げることができたのですね。

 

 

ただ、ここで出井氏をうらやましく思うのは

私だけではないでしょうね。

 

「普通の会社ならこうはいかないと思います。自分のバリューを

こだわることができたのは、やはり当時のソニーは

中途入社の社員が多い会社だったから」

 

ここは「年功序列」、「学歴」を重んじる「昭和の

普通の会社」とは決定的にソニーは違うところなのですね。

こういう会社は、

「組織を固定化してそこに人をはめていくような発想」

になるそうです。

ソニーでは、中途入社の採用が非常に盛んで、

新卒だろうが中途だろうが個の能力が尊重されているからですね。

ここは大事なところでしょう。

 

新卒入社はその人の将来性を買う訳で、中途入社は個を尊重し

学歴よりも能力が評価されるからですね。

 

それと大事な自由闊達な社風。

「上司の意見に対して、平気で正面から『NO』といえる会社」

これはちょっと私の少ないサラリーマン経験からまったく想像も

つきませんね。某野村証券ではありえない発想です。

 

ときには逆鱗に触れて

「お前はクビだ」

と怒鳴られることもあったそうです。

それで本当にクビになるかどうかなのですが、

「人事部長が騒ぎを聞いて飛んできて

『そりゃ。出井、お前の方が正しいよ』

と慰めてくれる・・・。

こうした自由さ、おおらかさがあった。」

「人は違うものだ。もちろん、社員も違うものだ。違って当たり前」

という前提が社内で共有されていたから・・・。

 

驚きませんか。

「自由闊達な理想工場が建設」されていると

本当に思いませんか・・・。

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