NHKドラマ「正直不動産」 その7
今回は「リバース・モーゲージ」の勉強ですね。
いろいろ勉強になりましたね。
誰も言っていないことを最後に申し上げます。
しかし、「リバース・モーゲージ」なんてフレーズが
まだあったことに正直驚きでした。
30年前の「バブル崩壊」でなくなった商品だと
信じていましたから・・・。
それを説明する前に、登場人物のご紹介。
前田吟さんと中田嘉子さん扮するご夫婦が、
住宅ローンを完済した自宅を売却するかどうかという設定。
ここですぐ、「突っ込み」たくなりますね。
前田吟さんと中田嘉子さんといえばまさにバブルの頃に
「渡す世間は鬼ばかり」で共演されていましたね・・・。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、
結局この物件は、駅から遠い理由で高くは売れません。
そこで「リバース・モーゲージ」の登場。
その「リバース・モーゲージ」なのですが、
要するに高齢者が自宅を担保に融資してもらって、将来的には
亡くなった後で売却して返済する仕組みのローン。
「土地神話」があったバブルの頃に開発された商品ですね。
リスクがたくさんあります。
① 価格変動リスク
土地は未来永劫に上がり続けることはありません。
不動産価格が暴落したら、将来の相続人に多大なる迷惑がかかることになります。
バブル崩壊で借金だけ残された相続人たちがどれだけ苦しんだか。
② 金利変動リスク
今は低金利ですが、金利上昇局があるかもしれません。
手持ち資金だけでは払えなくなるかもしれません。
③ 長生きリスク
「人生100年時代」を迎えています。
60代で「老後を考える」と焦ってローンを組んでも、
その後40年間金利を支払い続けるかもしれません。
また長生きすればするだけ、上記①と②のリスクも増大します。
いろいろあるのですが、不動産屋にはまったく関係のないお話なのですね。
分かりますか?担保ローンをいくらしても、不動産屋には何のメリットも
ないのです。売却してくれなければ手数料が入らないからです。
因みに、例の「公式副読本」には、当然何も触れられていませんでした。
でも正直不動産の永瀬は名台詞を吐きますね。
家を売却することに決めたと言ったご夫妻に、
「幸せの形は人それぞれです。お孫さんのためだけではなく
奥様のためにも家を売るべきではありません」
と伝えます。
それでは「登坂不動産が困るのでは?」という言葉に対して名言。
「私たちは物件をただ右から左に仲介しているのではありません。
家を通じてお客様の人生を豊かにする、そのお手伝いをするのが
不動産屋の仕事です」
実にカッコイイですね。
まあ、こんな不動産屋は少ないかもしれないですね。
手数料が欲しい悪徳不動産屋なら、リバース・モーゲージのデメリットを
並べ上げて売らせてしまうのでしょう。
なかなか考えさせられる第7回でしたね。
ところで、その「リバース・モーゲージ」なのですが
税理士としては相談されると即答で反対するでしょうね。
デメリットとは申し上げた通りですから。
ただ一点だけ、私が勉強中の「家族信託」との組み合わせは
可能ではないかと思っております。
オリックス銀行の提案図ですね。
建て替え資金をこの「リバース・モーゲージ」で借りられれば
「信託内借入」と同様の効果は得られますね。
この仕組みはいずれどこかで発表します。
住み慣れた我が家を手放したくないご老人は多いです。
住み慣れた街を離れることを嫌がるご老人も当然たくさんいます。
何か仕組みが考えられないかと、研究テーマをいただいたようです。
「私たち税理士は、税金の計算だけをしているのではありません。
税金を通じてお客様の人生を豊かにする、そのお手伝いをするのが
税理士の仕事です」
正直税理士・・・。
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