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2022年5月26日 (木)

NHKドラマ「正直不動産」 その7

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今回は「リバース・モーゲージ」の勉強ですね。

いろいろ勉強になりましたね。

誰も言っていないことを最後に申し上げます。

 

しかし、「リバース・モーゲージ」なんてフレーズが

まだあったことに正直驚きでした。

30年前の「バブル崩壊」でなくなった商品だと

信じていましたから・・・。

 

それを説明する前に、登場人物のご紹介。

前田吟さんと中田嘉子さん扮するご夫婦が、

住宅ローンを完済した自宅を売却するかどうかという設定。

 

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ここですぐ、「突っ込み」たくなりますね。

前田吟さんと中田嘉子さんといえばまさにバブルの頃に

「渡す世間は鬼ばかり」で共演されていましたね・・・。

まあ、そんなことはどうでもいいのですが、

結局この物件は、駅から遠い理由で高くは売れません。

 

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そこで「リバース・モーゲージ」の登場。

その「リバース・モーゲージ」なのですが、

要するに高齢者が自宅を担保に融資してもらって、将来的には

亡くなった後で売却して返済する仕組みのローン。

 

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「土地神話」があったバブルの頃に開発された商品ですね。

リスクがたくさんあります。

 

① 価格変動リスク

土地は未来永劫に上がり続けることはありません。

不動産価格が暴落したら、将来の相続人に多大なる迷惑がかかることになります。

バブル崩壊で借金だけ残された相続人たちがどれだけ苦しんだか。

 

② 金利変動リスク

今は低金利ですが、金利上昇局があるかもしれません。

手持ち資金だけでは払えなくなるかもしれません。

 

③ 長生きリスク

「人生100年時代」を迎えています。

60代で「老後を考える」と焦ってローンを組んでも、

その後40年間金利を支払い続けるかもしれません。

また長生きすればするだけ、上記①と②のリスクも増大します。

 

いろいろあるのですが、不動産屋にはまったく関係のないお話なのですね。

分かりますか?担保ローンをいくらしても、不動産屋には何のメリットも

ないのです。売却してくれなければ手数料が入らないからです。

因みに、例の「公式副読本」には、当然何も触れられていませんでした。

 

でも正直不動産の永瀬は名台詞を吐きますね。

家を売却することに決めたと言ったご夫妻に、

 

「幸せの形は人それぞれです。お孫さんのためだけではなく

奥様のためにも家を売るべきではありません」

と伝えます。

それでは「登坂不動産が困るのでは?」という言葉に対して名言。

 

「私たちは物件をただ右から左に仲介しているのではありません。

家を通じてお客様の人生を豊かにする、そのお手伝いをするのが

不動産屋の仕事です」

 

実にカッコイイですね。

まあ、こんな不動産屋は少ないかもしれないですね。

手数料が欲しい悪徳不動産屋なら、リバース・モーゲージのデメリットを

並べ上げて売らせてしまうのでしょう。

 

なかなか考えさせられる第7回でしたね。

 

ところで、その「リバース・モーゲージ」なのですが

税理士としては相談されると即答で反対するでしょうね。

デメリットとは申し上げた通りですから。

 

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ただ一点だけ、私が勉強中の「家族信託」との組み合わせは

可能ではないかと思っております。

オリックス銀行の提案図ですね。

建て替え資金をこの「リバース・モーゲージ」で借りられれば

「信託内借入」と同様の効果は得られますね。

この仕組みはいずれどこかで発表します。

 

住み慣れた我が家を手放したくないご老人は多いです。

住み慣れた街を離れることを嫌がるご老人も当然たくさんいます。

何か仕組みが考えられないかと、研究テーマをいただいたようです。

 

 「私たち税理士は、税金の計算だけをしているのではありません。

税金を通じてお客様の人生を豊かにする、そのお手伝いをするのが

税理士の仕事です」

 

正直税理士・・・。

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