エッシェンシャル思考 その3
何度も書きましたが、これは8年前に
書かれた本なのですね。
でも8年後の日本を予想していたような記述です。
「現代は、仕事とプライベートの線引きが難しい時代である。
通信手段が進化したおかげで、いつどこでも仕事をすることが
可能になった。」
まさに現在はそうですね。このコロナ禍で在宅ワークが
一気に本格化したからです。
滅私奉公で家庭を犠牲にしてきた昭和のサラリーマンが
このコロナ禍のおかげで、「絶滅危惧種」に指定され始めているのです・・・??
「24時間連絡がつくのが当たり前になり、休日にも
対応を迫られることが珍しくない。
単に境界が薄れているだけではない。
仕事は一方的にプライベートを侵食しようと
している。」
8年前に書かれた記述こそ、
このコロナ禍の日本の問題点なのでしょうね。
休日も仕事をするようになると、
プライベートだか仕事だか線引きが難しくなると
よく聞くお話です。
でまだその「非エッセンシャル思考」の「絶滅危惧種」は
日本では間違いなく多く生息しているのですね・・・・。
平気で上司から休日に指示が来たりします。
「明日月曜日の会議は・・・」
冒頭の出産の場面ならまだしも、
土日のプライベートの時間帯に上司からの
メールです。
「さあ?あなたらならどうしますか?」
「NO!」と言えますか?
この本では「NO!」と言えることこそが
「エッセンシャル思考」なのです。
この本では2つの事例が出ています。
韓国のIT企業に勤める女性。
彼女は3週間後の結婚式を控え、取締役会の資料作りを
任されていました。
でも大事な仕事でゆっくり式の計画を立てる余裕もありません。
それでも1日15時間働いて5日前に終わらせました。
これで結婚式の準備ができると思っていたら、
上司からの緊急のプロジェクトがあるとの電話。
そこで彼女は会社員生活で、初めて「できません」と
言ったのです。
でも、面白いことが起こったそうです。チーム全員が
その仕事を断り結局その仕事はその上司がやることに。
上司も自分のやり方の欠点に気が付いたそうです・・・。
有名な「イノベーションのジレンマ」の著者である
クレイトン・クリステンの例。
会社勤務時代に土曜日に仕事手伝ってほしいと
上司から頼まれました。
「すみません。毎週土曜日は妻と子供と過ごすことに
しているのです」
当然その言葉で上司は腹を立てたそうですが、その後
「よし、チーム全員と話をつけて、土曜日のかわりに
日曜日に集まることにしたよ。日曜日なら出られるのだろうね?」
クリステンは
「あいにく日曜日は都合が悪いのです。毎週日曜日は
神様のために使うと決めているので」
上司はかんかんに怒ったそうですが、
やがてプライベートの線引きを尊重してくれるように
なったそうです。
この二つの事例どう思いますか?
日本ならどうなるでしょう?
「エッセンシャル思考の人は境界線を上手に利用する。
一線を引くことで自分の時間を守り、
他人から余計な干渉を防ぐ」
日本だとまだ「絶滅危惧種」が、しぶとく悪態を
つくはずです。
「いいんだな・・・・」
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