渋沢栄一と論語と算盤 その5
「大なる立志と小さい立志と矛盾するようなことがあってはならぬ。
この両者は常に調和し一致を要するものである。」
これは、第2章「立志と学問」の箇所にかかれている一説です。
これも正直書くと、最初原文読んだときに何を言っているのか
分からなかったのですが、この本を読んで納得してから
原文読み直すと、頭に「スッと」入り、
まさに腑に落ちた箇所ですね。
ここは、特に起業開業を目指す若い経営者、もしくは
まだ開業して日も浅い若手経営者に、
繰り返し読んでいただきたい箇所ですね。
渋沢栄一は「志をたてること」を
非常に大事にしていたのです。
ただその志も、「大きなもの」と「小さなもの」をたてて
「それぞれが調和するのがいい」
といっているのです。
とここまで読んで、正直何を言ってるのか、
まだ分からないでしょう。
斎藤先生から素晴らしい例示を示していただきました。
結構これは話題になったものですが、
エンジェルスで大活躍している大谷選手が、
なんと高校時代に作成した「マンダラチャート」です。
真ん中は「ドラ1 8球団」
これこそ渋沢栄一のいう「大志」ですね。
それをかなえるための8つの「小志」
「スピード160Km/h」、「コントロール」、「キレ」、「変化球」、
「体つくり」、「メンタル」、「人間性」、「運」。
さらにこの8つの「小志」のために何をやるかを書き込んでいます。
例えば、「体づくり」では「食事夜7杯、朝3倍」・・すごいですね。
「メンタル」なんか読んで感心しますね。
何より「人間性」の箇所んでください。
「礼儀」、「思いやり」、「愛される人間」・・・。
メジャーリーガーとして大活躍している理由が
分かりますね。
誰にしもいきなりメジャーリーガーにはなれないのです。
小さな志をコツコツ達成していくことで、
やがて大きな志に到達するようになるということです。
斎藤先生いわく、
大きな志につながるように小さな志を積み重ねていくのですね。
とここまでは「志をたてる上での工夫」ですね。
「論語と算盤」の原文から、「論語」です。
「吾、十有五にして学に志す」(わたしは15歳で学問に志した)
「三十にして立つ」(30歳で自立した)
「四十にして惑わず」(40歳で迷わなくなった)
「五十にして天命を知る」(50歳で天命を知った)
これは有名な孔子の言葉ですね。
栄一に言わせれば
「四十にして迷わずとは、世間を渡っていくにあたり、
外からの刺激くらいでは、ひとたび立てた志が決して動じないという
境地に40歳で達し、どこまでも自信ある行動がとれるように
なった」
と解釈すべしということのようです。
つまり、
「孔子であっても40歳になって初めて志を完全に立てられた」
といっているのです。
凡人である一般人なら、まだまだ「迷って」いるのは当然でしょうね。
「志」をたてるということがいかに重要か分かりましたか?
起業開業したい20台の若い方なら
「30歳で独立」、「40歳で急成長」、「50歳で上場」
そんな「大志」を立てて、このマンダラチャートを作ることを
お勧めしますね。
でも最後に、こういう方もいるでしょう。
「私は渋沢栄一のような素晴らしい経営者でもないし、
大谷翔平のように野球で飛びぬけた才能がある訳でもない・・・。
どうしたらよいのですか?」
でも渋沢栄一はそんなことお見通しです。
「志を立てる要は、よくおのれを知り、
身のほどを考え、それに応じてふさわしい方針を
決定する以外にないのである。」
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