渋沢栄一と論語と算盤 その4
「私は常に精神の向上を、富と共に進めることが必要であると
信じている」
渋沢栄一の生き方そのものですね。
渋沢栄一は「富と共に精神を向上させていくことが大事」
と言っているのです。
つまり、ビジネスに成功して利益をあげるだけでなく、
さまざまな困難に出会う中で、自分自身の人格を練っていかなくては
ならないということなのです。
ここで税理士としてすぐ「突込み」たくなりますが、
「利益」というと「税金」がつきものですよね。
それに対してどう思っているか気になりました。
NHKの大河ドラマで、幼少期に埼玉県の血洗島で
悪代官に対して法外な年貢を届けるシーンがありましたね。
この悪代官、非常にはまり役の役者さんが演じていましたね。
見るからに憎たらしい悪代官に栄一はにらみつけていましたね。
年貢は当時としてはまさに「税」です。
こんな幼少期につらい経験をしていながら、素晴らしい人物ですね。
「正しく税を納めて、経済を活性化させ、
国家を支えていかなければならない
という強い意識」
があったのです。
まさにこのあたりの「論語」の影響でしょう。
日本の義務教育でもっと「論語」を教えれば世の中変わると
思いますね・・・。
冒頭申し上げた「精神の向上」とは「公共心」と置き換えられるのです。
斎藤先生の図解です。
法人税の負担率を見れば、その公共心の高さが分かる
のだそうです。
これは法人会と税務署がタッグを組んで、会員向けに
「論語」の勉強会をやれば、税収がもっとあがる?
のではないでしょうか。
ここであえて書いておきますが
「法人税は1円も納めたくない」
という経営者は論外だということです・・・・。
ではここで税金を多く払うために
「企業として利益をあげること目標」
とすべきなのでしょうか?
となると
「金儲けのうまい人を目標にする」
となりますよね。
岩崎弥太郎の「金儲け」の誘いを断ったくらいの栄一ですからね。
「しかるに、世人はこの種の人物の成功者として尊敬し羨望し、
青年後進の徒もまたこれを目標として、何かにしてその塁を
摩せんとするに腐心する所より、悪風とうとうとして
停止するところを知らざる勢いとなっておる。」
ちょっと難しいでしょうか。要するに
「若い人たちが金儲けのうまい人を
成功者として自分の目標とする」
のはちょっとまずいのではと憂慮していたのです。
いまから100年以上前の若者でもそうだったのですから
現代ではなおさらですね。
以前
「金儲け何が悪いのですか?」
といって叩かれた村上ファンド。
またホリエモン。
若者が、金儲けがうまい、村上氏やホリエモンを目標に
してはいけないという渋沢栄一の教えなのです・・・。
ではどういう経営者を目指すのか?
本多静六氏と渋沢栄一は親交が深かったそうです。
巨万の富を築きながらほとんどの財産を寄付したそうです・・・。
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