渋沢栄一と論語と算盤 その3
「競争は避けてはならない」
渋沢栄一の教えです。
太平の世であった江戸時代には競争はなかったのです。
士農工商の身分が確立され、毎年同じことを繰り返していく
「再生産社会」だったからです。
それが、明治維新後の新しい経済社会では、より良いものを
生み出していかなければならなかったのです。
そのためには「競争」は必然だったのです。
この絵の方が分かりやすいですね。
いつの時代でも、当然「令和の現代でも」新しく会社を興すには
闘争心があります。
「自分こそ新しいものをつくってやるのだという気概と、
既存の業界にけんかを売るような気力こそが必要であり、
競争を避けるようでは経済は発展しない」
と考えたのです。
生涯で500社も会社を興した渋沢栄一の気概を
ぜひ見習ってください。
令和の現代でも同じです。
コロナ後はまず「気合だ!」ですね・・・。
「世の中に逆境は絶対にないと言い切ることは
できないのである。
ただ、逆境を立つる人は、よろしくそのよって来るゆえんを
講究し(調べて解明し)、それが人為的逆境であるか、
ただしは自然的逆境であるかを区別し、
しかる後これに応ずるの策を立てねばならぬ。」
今コロナで大変な状況の企業も多いでしょう。
この渋沢栄一の言葉「逆境を乗り越えるには」を
噛みしめていただきたいですね。
逆境は必ずあるから、それが
「人為的逆境」か「自然的逆境」どちらかなのかを
区別しようということですね。
人為的な逆境の場合は、反省して悪い点を改めるだけのことです。
では「自然的逆境」ならどうしたらよいのか?
このコロナ禍などはまさに、「自然的逆境」ですね。
誰が悪いというものではないのです。
「人生には浮き沈みがあり、自分の力の及ばない不運もあります。
その時は、これは天災のようなものだからと耐えていく中で、
「逆境力」が鍛えられるのです。」
NHKの大河ドラマで、いかに渋沢栄一が
「逆境力を鍛えられたか」
良くわかりますね・・・。
「私は蟹の甲羅に似せて穴を掘るという主義で、
渋沢の分を守るということを心がけておる。」
この言葉も噛みしめてください。
「自分の力に合わせて穴を掘れ」
ということなのです。
つまり、蟹は甲羅の形に合わせて穴を掘ります。
大きい蟹の穴は大きく、小さい蟹の穴は小さくなります。
要するに、
「人にはそれぞれの能力のスケールや、得意不得意があります。
だから蟹のように自分のスタイルでやるしかない」
ということなのです。
« 渋沢栄一と論語と算盤 その2 | トップページ | 渋沢栄一と論語と算盤 その4 »
コメント