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2021年10月13日 (水)

失敗を語ろう その5

「アカウント・アグリゲーション」ということを分かっていただいたと

思いますので、問題はこれからですね。

スタートアップ企業の陥りやすいワナですね。

 

素晴らしい機能であることは想像つくと思うのですが

問題はその開発コストです。

 

「アカウント・アグリゲーションエンジンを提供している

他社に委託すると、初期費用だけで数千万円。

下手をすると数億円かかる・・・。

 

これを自前でやろうとしたのですね。

技術系のスタートアップ企業はここを乗り越える必要が

あるのですね。

ここですぐ、ビズリーチを思い出しました。

南社長は大事なことを言っていましたね。

 

「仲間づくりの最難関はITエンジニシアをどうチームに

巻き込んでいくか」

 

ビズリーチは現在のCTO(最高技術責任者)である創業メンバーの

竹内真氏を命懸けで引き入れたのでしたね。

「エンジニア5人がかりで半年はかかるというビズリーチの

初期システムを一人で作り上げたのでした。

 

マネーフォワードも「アカウント・アグリゲーション」を

つくれるエンジニア浅野千尋を迎えていたのです。

当時ではそのシステムを作れる人は5人もいなかったそうです。

 

しかし、技術的な面はここで、クリアしたとしても

マネーフオワードを苦しめる大問題にその後直面するのですね。

ずばり「カネ」ですね。

 

「アカウント・アグリゲーション」ができたとしても、

それを儲けに結び付ける「仕組み」がなかったのです。

 

2012年の年末に家計簿サービス「マネーフォワードME」を

リリースした当初「広告で稼ぐ」というビジネスモデルだったそうです。

 

事実、2013年8月に広告募集のリリースを出しています。

しかし、結果はさんざん・・・。

 

「家計簿サービスなんて毎日見るものでないから広告効果ない」

 

とバッサリですね。

まあそうでしょうね。

 

資金不足から、マネックスと個人投資家から調達し1億円超を

集めたもののまだ資金不足・・・。

 

ベンチャー企業にありがちな問題でしょうね。

しかし、2013年10月大手ベンチャーキャピタルの

ジャフコから5億円もの出資を受けることができます。

 

なかなかこのあたりの「金策苦労話は泣けます。

ベンチャー経営者には必読のところでしょう。

 

しかし、ここでマネーフォワードで大事な表を

お見せします。

得意のEDINET分析。

これは誰でも手に入る表です。

恐るべしです。

 

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まず第1期から第5期。

第1期の売上ゼロから始まって、5年間でようやく

売上15億円まで伸ばしました。

しかしその間に億単位の赤字が続いています。

 

「スタートアップ企業何てこんなものさ・・・」

 

そうかもしれませんね。

VCなどから集めた資金で何とかカネを回していますね。

何より開発コストが巨額にかかるのでしょう。

 

692

 

問題は第6期から第9期。

売上高ようやく110億円まで成長してきました。

でも経常損失を見てください。

 

第8期も第9期も25億円あまりの損失・・・・。

 

 

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