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2021年9月22日 (水)

巨大スタートアップ「ビジョナル」挫折と奮闘、成長の軌跡 その4

 

この本は「東北楽天イーグルス」の箇所が一番面白いのですね。

三木谷、島田、小沢という当時最高の上司に鍛えられるところです。

 

当時パリーグは全球団が赤字でした。平均額40億円。

つまり、「野球は企業名を知らしめるための広報事業」という

意味合いが強かったのです。

 

そこに、「球団運営もビジネスである」というビジネスマインドを持った

プロの経営者が参入したのです。

 

実質ゼロから作り上げたチームが

売上高73億8500万円

営業費用72億2900万円

営業赤字1億5600万円

なんと初年度から黒字です。

伝統的なプロ野球の常識や慣習を打ち破り黒字を達成したのです。

 

 

ゼロから球団を立ち上げるということは、

ゼロかベンチャービジネスを立ち上げるということと同意義なのです。

 

そこにベンチャービジネスの師匠である三木谷社長が

目の前にいたのです。

こんな贅沢な経験はなかなかできないでしょうね。

 

三木谷社長からは「大義」という言葉を教わったそうです。

 

「いいか、南。課題は無数にある。問題はそこからどれを自分の課題として

選ぶかだ。

それはどれだけの人の課題を解決するのか。事業としてやる以上、

社会にインパクトを与え、世界を変えるようなスケールの大きな

問いに向き合わなくては意味がない。そこに大義はあるのか?」

 

これは三木谷社長の経営学そのものなのでしょうね。

 

「そこに大義はあるのか?」

 

20210922-101056

 

何だか「そこに愛はあるのか?」というアイフルのコマーシャルのようですが

毎日鍛えられたのでしょう。

 

また三木谷社長は、小澤氏や島田氏と同様に調べぬくことの

大切さを南氏に教えたそうです。

 

「俺が知りたいのはお前のアイデアではない。なぜ、この課題が

まだ存在しているのかということだ。お前が考えていることなんて、

既に何万人もが考えている。それなのに、なぜ今もその課題が

解決されずに存在しているのか。業界の構造や歴史を徹底的に

要素分解しろ」

 

さらに、三木谷氏は

「立てた課題の達成度合いを計測できるよう、必ず数字に落とし込んで

いくことを求めた。」

 

さらに、三木谷氏からスケールの大きな課題に取り組む大切さを

学んだそうです。

 

「三木谷さんには、会うたびに『現状で満足しているわけじゃないよな?』

問われた」

そうです。

 

すばらしいですね。

三木谷、島田、小沢という素晴らしい経営者に鍛えられた3年間は

かけがえのない経験になったと思うのです。

 

この3年間の経験こそ、南社長の起業家としての原体験であり、

その後のビズリーチ創業につながる大きな物語の原点なのですね。

 

振り返ってみて、若いころこんな上司に鍛えられた方は

なかなかいないと思います。

読みながら思い出しましたが、南氏と同じように私も28歳から3年間

野村証券グループの新規設立の子会社で働きました。

ゼロからのスタートでしたので様々なことを学びました。

誰よりも仕事をした自負はあります。

でも残念ながら、三木谷さんのような素晴らしい経営者には

鍛えられなかったのです・・・。

 

南氏が非常にうらやましく思えます・・・。

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