巨大スタートアップ「ビジョナル」挫折と奮闘、成長の軌跡 その6
このビズリーチの急成長の理由。
読んですぐ分かりました。「人」ですね。
人材こそが「人財」。
経営組織に必要な三要素で必ず言われる言葉「人、物、金」。
ベンチャービジネスを立ち上げてまず必要なのは第一番目の
「人」ですから。
つまり、
「事業を立ち上げるには仲間が必要」
これを南社長は十二分に理解していたのですね。
いままでいろいろな経営者本を取り上げてきました。
でも南社長ほど「人が一番大事」と自覚して起業した方は
あまりいなかったです。
では、その仲間を見つけるにはどうするか?
これはぜひ参考にしてください。
「誰よりも熱意をもってビジョンを語る」
南社長の思いついたアイデア「求職者と企業をつなぐサービスのコンセプト」
を熱く語り続けたのですね。
そこで創業メンバーとなる佐藤和男(現執行役員)と出会います。
佐藤氏もすでに就職活動支援のスタートアップで働いていたのです。
さらにもう一人創業メンバーの永田信(現ビジョナルインキュベーション社長)に
出会います。
永田氏はすでに婚活サイトの日本支社のCOOで働いていた方。
インターネットの知見がありいずれは起業したいと思っていたほど。
ここで南氏の構想力や突破力で永田氏を口説き落とすのです。
「南氏のパワーに自分のインターネットの知見を組み合わせれば・・・」
そう思わせたのです。
これで創業メンバー3人ですね。
普通のベンチャーならこのまま3人で猪突猛進突き進むのでしょうね。
さすがは冷静沈着な南社長ですね。
「仲間づくりの最難関はITエンジニアをどうチームに巻き込んでいくか」
ということを理解していたのです。
そこで目を付けたのがビズリーチでCTO(最高技術責任者)となる
創業メンバー竹内真氏ですね。
でも、竹内氏はすでに自ら創業したシステム会社を経営していて、
リクルートなどの大手からも仕事を受注するほどのスパーエンジニア
だったのです。
でも竹内氏の記述が面白い。
「エンジニアの多くは、南のようなタイプの人間は嫌いだ。」
「朴訥なエンジニアから見ると、南は自分たちを利用してやろうという
魂胆が見え見えの油断ならないヤツに映った」
「できるだけ関わりたくないというのが本音だった」
結局いったん諦め、IT関係はすべて外注することで起業準備に入ります。
しかし、時は2008年。お分かりですね。
リーマンショックの年です。
そのおかげで外注したシステム会社が離脱したのです。
普通ならこのままビズリーチは日の目を見ることなく終わったのでしょう。
南社長はここで不退転の決意で、竹内氏を口説き落とします。
「あなたがいなければだめなのです。」
竹内氏を動かしたのは情理でした・・・。
竹内氏の加入でビズリーチは変わります。
計画していたビズリーチの初期システムは、エンジニア5人がかりで
半年はかかると言われていたものを竹内氏はたった一人で作り上げます。
南氏は語ります。
「竹内がいなければビズリーチは生まれなかった。
彼が会社を牽引したエンジンであり、ビズリーチ精神そのもの」
また永田氏がマッチ・ドット・コムで培った最先端のインターネット・
マーケットィングのノウハウにも南氏は感動します。
「インターネットやモノづくりを何も知らない自分が、
ビズリーチを創業して成功できた最大の要因は、
創業メンバーに出会い仲間に加わってもらったことにある」
これはまさに真理です。
彼の言う「事業と人はセット」。
納得しますね・・・。
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