巨大スタートアップ「ビジョナル」挫折と奮闘、成長の軌跡 その7
ところでビズリーチの仕組みのどこがすごいのか?
解説してみましょう。
これ知って思わず私はうなりました・・・。
この絵を見てください。
実に分かりやすいですね。
ビズリーチを取り巻く「転職マーケットの図」です。
今までの転職マーケットは(多分今でもあると思いますが)
企業が人材紹介会社に多額の費用を払って人材を見つけていました。
例えば年収の30%~35%くらいが相場でしょうか。
ですから、年収1000万円クラスの方を採用するのに
300万円~350万円くらいは、あたり前にかかっていたのですね。
この仕組みをビズリーチは変えました。
ビズリーチはまず①求職者から課金するシステムにしたのです。
年収1000万円以上のクラスの方なら、
それこそフィー払っても探したいと思うのですね。
それに②ヘッドハンター(人材紹介会社)からも課金します。
当然最終的には③企業からも課金。
素晴らしいですね。
この仕組みで2009年4月に
「プロフェショナル人材を企業とつなぐ転職サイトBizReach」
の開始です。
ネットだけで①求職者の登録は2年で5万人にも増えたそうです。
しかも、企業からの成功報酬を当初20%に抑えたそうです。
通常30%~35%払わなければならないのに安いですね。
それでも企業からの評判は良くなかった。
どうしてか分かりますか?
「ネット企業の陥るワナ」ですね。
つまり、
「サービスに魅力を感じても結局は利用方法を習得できずに疎遠になっていく」
ネットサービスの弱点ですね。
これ私自身もよく感じます。若い方はともかく、年配の方はネットサービスを
使いこなすのは面倒ですからね・・・。
でもここは大事なところですね。最近の論調として、
「インターネットやAIが拡大すれば、ゆくゆくは人の営業はゼロになる」
これがありますからね。
若い竹内氏など技術者から見たら、
「営業はインターネットがやってくれる」
と信じていたようです。
つまり、「多くのインターネット企業が目指すプラットフォームサービスは
サービス提供者とユーザーが直接つながり中抜きが発生する」
からですね。
でも、「これは消費者向けのサービスで企業向けのサービスには
営業こそ不可欠である」と南社長は気が付いていくのです。
ここで採用された方が現在のビズリーチ社長の多田洋祐氏。
もともとビズリーチを利用していた顧客で
すでにヘッドハンティングの会社を起業していました。
ピカイチのヘッドハンターだったらしいです。
この多田氏がビズリーチの営業を組織として強くしていきます・・・。
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