トヨタの会議は30分 その4
最後に本音書きます。
「Think Straight Talk Straight」
(シンク・ストレート トーク・ストレート)
「余計な忖度は不要、直球で議論し、行動しよう」
これは素晴らしい考え方だと思うのですが、
トヨタのような社風でない会社、それこそ中小企業で
実践したら難しいでしょうね。
社長に対して「ストレート」に意見言ったら
それこそEQの高い社長ならいいですけど、
「オマエいらない!辞めてくれ!!」
と言われるかもしれませんからね・・・。
ワンマン社長は中小企業に圧倒的に多いです。
上司と部下の関係でもストレートなものいいだと、
それこそ今なら「パワハラだ!」と訴えられたり、
逆に「うつ」の社員を増幅させるかもしれませんね・・・。
前提となる永年培われた「トヨタのDNA」があることを
忘れてはいけませんね。
トヨタの経営術というといくらでも本が出ていますからね。
「現地現物」、「トヨタ生産方式」、「カイゼン」・・・。
特にこの本で勉強しましたが
「トヨタの工場内『よい品よい考え』という創業時代からのメッセージ」
があるそうです。
この「よい品よい考え」とは文字通り、「よい商品はよい考えから生まれる」
ということなのですが、この言葉を「錦の御旗にして」、遠慮なく厳しく
「ストレートに」部下を指導してくるカルチャーがあるのですね。
工場の現場では怒鳴りあいながら若手を指導するのです。
これはびっくりですね・・・。
そういう土壌のある会社と一般の中小企業とは違いますからね・・・。
「トヨタは飲み会の多い会社」
だそうですが、怒鳴りあいながら部下を育て、そのフォローのために
飲み会が頻繁に開かれる・・・。
「お酒を飲みながら率直に話し合い、『あのときのしこり』を解消することが
明確に意識されていた・・・」
私自身も某野村證券でも、そういう意味では社風が近く
そのようなことを経験しましたが、もう30年以上前のお話です。
申し訳ないですが、かなり「昭和な会社」ですね・・・。
以前京セラを何度も取り上げましたが、稲盛経営学では
この飲み会を「コンパ」と称して推奨していましたからね。
まあこのコロナ禍なかなか大変でしょうね・・・。
でも令和の時代にあって、やはり「古臭い社員教育」のように感じるのは
私だけではないと思います・・・。
「お酒を飲まなくてもオンラインでも構わない」
と書いてありましたが、オンラインで「しこり」は取れるのでしょうか・・・。
この書でも要するに結論としては、このコロナ禍にあっても
「コミュニケーション能力が大事」
ということなのでしょう。
しかし、令和の時代でビジネスのコミュニケーションが変わってきましたね。
年賀状や中元歳暮、年末年始の挨拶などの儀礼的な交流も必要最低限なもの
だけが残るなど、無駄が排除されてしまっていますからね。
またテレワークの功罪もあります。
「テレワークというのは交流したくない人との接触をかなりの程度、
自らの裁量で減らせる」
のですね。これは確かにそう感じています。
「テレワークとAIの組み合わせによって、今後ますます定型的、
儀礼的なコミュニケーションは半自動に処理されるようになり、
AIが担当できない人対人の深いコミュニケーションだけが
残るようになります。」
これは以前徹底的に勉強しましたね。
AIを使いこなす「デジルケンタウロス」だけが生き残る世界・・・こちら
間違いなく、そうなります。
「平成の時代の業務のIT化で膨大に増えたビジネスコミュニケーションの
機会が、令和の時代には逆に厳選されて減少し、意外と昭和の時代に
近いくらいの頻度と密度に戻っていくのではないか・・・」
そうかもしれませんね。
コロナ後の世界は、コミュケーション能力がすべて
のように感じています。
勉強になった本でした。
ぜひ一度30分でお読みください・・・。
(ガンバレ! トヨタシリーズ おしまい)
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