売上最小化、利益最大化の法則 その9
本の情報を鵜呑みにしないのをポリシーとしているのが
吉田ブログですからね。
またEDINETでその北の達人コーポレーションを
確認しましょう。
損益計算書を見て検証してみます。
2021年2月期の詳細まで発表されていますからね。
よく見ると驚くべき事実がありました。
これこそ「秘密」ですね・・・。
本の題名通り、2020年2月期で売上高は100億9334万円、
営業利益は29億1532万円
これは間違いないですね。(黄色のランンマーカー)
でもよく見ると「売上総利益」で76億4426万円もあります。
2021年の「売上総利益」も、売上高は落ちていますが、
70億2149万円もあるのですね。(赤のラインマーカー)
利益率がそんなに高いということは、
つまり、原価率で計算するとなんと25%ですね。
これは単なる通販会社ではないと直感的に分かるでしょうか?
いくら北海道の新鮮なカニでも、2千500円で仕入れたものを
1万円で売るような「ぼったくり」はできないはずですからね。
つまり仕入れたものを4倍の高値で売ることは通常の通販では
ありえないからです。
だからこそ、前回申し上げた通り、
「ビジネスモデルの大転換」があったのですね。
さらに、その秘密を探るために「製造原価明細書」を見てみます。
原価率25%の中身です。
驚くべき事実ですね。ほとんどが「外注費」ですね。
つまり、健康食品などをすべて外注で製造しているのですね。
この会社には工場がないので当たり前といえば当たり前なのですが
こういうビジネスモデルなのです。
さらに言うと販売管理費の中身です。
広告宣伝費に約27億円ですね。
売上100円の企業で27億円もかけているのですね。
原価が25億円ほどですから、原価以上にかけているのです。
これこそが通販ビジネスの根幹の実態ですね。
北の達人コーポレーションが、なぜ「5段階利益管理」を生み出したか、
本当の理由がこれですね。
ついでに過去6年間のこれらの数字を追ってみました。
売上高は2016年から2019年へと
22億円→26億円→52億円→83億円
と急増していますね。
売上が上がるにつれ営業利益も
4億円→5億円→14億円→18億円
と増えています。
一方の広告宣伝費は
4億円→6億円→16億円→30億円
と突出しています。
2019年2月期には、なんと30億7768万円
ですからね。
通販ビジネスの実態が良く分かると思いませんか・・・。
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