ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 その6
上司に恵まれ部下にも恵まれ・・・。
でもサラリーマンとして、もっと大事なものがありますね。
「運」ですね。
実力がありながら、出世しない方をたくさん見てきました。
こればっかりはどうしようもないですからね。
平井氏には「運」がありました。
それはお分かりですね。
ゲーム機のプレイステーションの大ヒットですね。
1994年日本で発売されてから世界中で売れに売れました。
ゲーム機として、初めて累計販売台数が1億台を超えたのです。
因みに2000年に発売されたプレイステーション2は何と
累計販売台数1億5000万台ですからね・・・。
平井氏は、確かにSCEの米国現地法人でご苦労されたのは認めます。
でもこれだけ売れると当然数字が付いてきますからね・・・。
プレイステーションを販売するソニーの一部門であったSCEは
「まさに飛ぶ鳥を落とす勢い」だったそうです。
しかも、平井氏のおかげでSCEAも改革が進み、
「組織としてチームの体制が固まり、すっかり自走する組織になっていた」
そうです。
この「自走する組織」というのも平井氏は何度も言っています。
これは経営として、間違いなく理想形でしょう。
「社長が支持する前に、社長ならこう考えるだろうと皆が察して
事前に動いてくれる」というのを「自走」というのですね。
これを飛行機のコンピュータ制御飛行に例えて
「オートパイロットの状態」
ともいうのだそうです。
これは、中小企業ではなかなか難しいでしょうね。
社長がいなくても動いてくれる組織はなかなかできないものですから・・・。
しかし、自分の担当している部門が予想以上に良い結果を出したのは
まさに「運」ではなかったのではないでしょうか。
また一方で、他のライバル部門が苦境に立たされたのも、
こういう言い方すると申し訳ないですが、これも「運」であったと・・・。
この本で当時のソニーの状況がよく分かって、非常に勉強になりました。
プレイステーションという大ヒット商品が現れる一方で、
ソニーを取り巻く環境は大きく変化していたのです。
ソニーは、20世紀においては、
「アナログの時代の家電で間違いなく世界の頂点に位置」
していたのです。
つまり、「世界最小・世界最軽量」といった世間をあっと言わせる
製品を出すことで急成長していたのです。
私の年代ですと
ソニーといえば「ウオークマン」でしょうね。
猿が音楽を聴いているこの哲学的なCMを、きっとご存じでしょうね。
21世紀に移り変わると、家電の世界には一気にデジタル化の波が
押し寄せてきたのです。
つまり「デジタル家電の到来」ですね。
テレビはブラウン管から液晶やプラズマに。
カメラからフィルムからデジタルカメラに。
ビデオも磁気テープからDVDやブルーレイへ。
もちろんソニーも、デジタル家電の波頭をとらえようとしていたのですが
韓国勢などの攻勢で厳しい値下げ競争の始まりでした。
結果的に特に売上高の6割を占めたエレクトロニクス部門が
低迷し始めていたのです・・・。
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