ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 その7
ところで平井氏はCBSソニー(ソニーミュージック)の入社でしたね。
しかし、そのままソニー収益源となったゲームビジネスに携わっていました。
「これはおかしい」
と本社からクレームが来て、転籍するのですね。
それでも、これでソニー本社の正社員かと思ったら、
SCE(ソニー・コンピュータ・エンタテインメント)でもなく、
その子会社のアメリカ現地法人SCEAへ転籍ですね。
そのまま1999年SCEAの社長になったのです。
「これで失敗したらクビ」
だと書いてありましたが、当然そうでしょう・・・。
しかし、思い通りにいかないのがサラリーマン。
意図した通りに行かないのもビジネスですね。
プレイステーションで大儲けしたソニーでしたが、
プレイステーション3で大失敗するのですね。
2006年11月に発売したプレイステーション3を発表する
久夛良木健氏ですね。得意満面の顔ですね。
なぜプレイステーション3で失敗したかを説明するのに、
「Cell事業」というのを説明しなければいけませんね。
これもこの本で勉強しました。
「Cellは2000年代前半にソニー、東芝、IBMの3社連合で
開発を進めていた次世代型の半導体」
なのですね。
ソニーとしては、2003年に2000億円もの巨額資金を
投資して開発を進めていたのです。
圧倒的な能力をこのプレイステーション3につぎ込み、
テレビなどの家電に広げていく、そして最後はソニーのデジタルシフトを
実現する・・・そんな壮大な社運を賭けた一大事業だったのです。
当時久夛良木氏は副社長。その方から平井氏は可愛がられていたのは
書いた通りですが、実力があり魅力的な方だったそうですね。
ソニーの社長になったストリンガーから「ソニーのスピルバーグ」と
言われていたらしいですね。
しかし、このプレイステーション3はハードディスク20ギガで
Cellを搭載で当時最先端だったブルーレイも搭載。
しかし、何といっても価格が6万2790円!
高すぎますよね。
ゲーム機ですからね・・・。
ソニーとしては
「これはゲーム機ではない次世代の家電」
として売りたかったのでしょうか・・・・。
でも販売直前に4万9980円に変更。しかしこれだと
1台売るごとに赤字が積みあがっていく計算・・・。
このプレイステーション3の大失敗でソニーは
2300億円もの巨額赤字。
その責任取ってか久夛良木氏は退任。
その後任としてSCEの社長になったのが平井氏。
そのあとそのSCEの立て直しにまた奔走するのですね。
因みにそのCell事業は、その後東芝に生産設備ごと売却して
撤退しました。
しかし、なかなかこの平井氏サラリーマンとして
波乱万丈の時代を生きてきましたね。
同級生として非常に読んでいて面白い。
映画化してソニーが配信したら儲かるのではないでしょうか・・・。
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