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2021年8月24日 (火)

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 その5

 「肩書で仕事をするな」は、本当に名言だと思いますね。

 

部長になった途端、あるいは役員になった途端に部下への接し方が

急に変わってしまう人は確かに多いのではないでしょうか?

 

私の経験でもサラリーマンってある意味「肩書がすべて」だったとも

思うのですね。

私も30歳の頃、確か肩書は「課長代理くらい」(要するにヒラ)でしたが、

ある時、本社の役員、部長、課長の椅子が違うのに気が付いたのですね。

不思議に思って総務担当の課長に聞いたら、

「これは総務として絶対大事な仕事・・・」ともらしていましたね。

 

確かにそうなのでしょうね。

今思えば椅子のカタチなんてどうでもいいのですね。

平井氏のように「選挙で選ばれたのですか?」

とは当時絶対聞けませんでしたけどね・・・。

 

ただ大事な点は

「これは決して精神論ではない。リーダーがどう振舞うかで成果が全く違う。」

 

「社員たちの票を勝ち取り、『この人なら話を聞いてやろうか』と

思わせなければならない」

 

そうでしょうね。

それと、その社員の票を勝ち取るために大事なことを言っています。

 

「経営者はEQ(心の知能指数)が高い人間であれ」

 

このフレーズはこの本に何度も出てきます。

「IQ」とは、知能指数(Intelligence Quotient)であることはご存じだと思います。

「EQ」というのは、心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient

ということなのですね。

 

この「EQ」という言葉は、今後流行るのではないでしょうか?

前に、平井氏の経営哲学として

「異見を発見し、どうやって経営戦略に昇華させ実行させるか」

その経営哲学の根幹をなす思考法の一つとご紹介しましたが、

この「EQ」が高くなければ、本人から「異見」を得ることはできない

そうです。

 

これ分かりますか?

もし上司が自分と反対の意見を持っているとしたら、

その状況で意見(まさに異見)を言ったら

「だからダメなんだ!そんな考えでは!」

叱られるのが落ちですね。

でもEQの高い上司なら、もしくはEQが高いと部下から慕われ

そう思われているなら、

「この人なら考え方が違っても自分の意見を聞いてくれるはずだ」

と部下も心を開いてくれるはずですね。

 

なかなか、こんなEQの高い上司にはお目にかかりませんか?

因みに、丸山氏はこのEQの高い上司だったそうです。

 

それと平井氏がもう一つサラリーマンとして恵まれていた点。

 

上司だけでなく、素晴らしい部下がいたのですね。

本では「部下」と言わず「相棒」という、尊敬と親しみを込めた表現をしています。

SCEA再建当時、平井氏は35歳。

部下のアンドリュー・ハウス氏は4つ下の31歳。

オックスフォード大出身で流ちょうな日本語も話す優秀な部下でした。

二人でこのSCEAを立て直したのです。

 

因みに、その数年後平井氏がSCEの東京本社の社長になりますが、

ソニー本社の副社長に転じたときに、SCEの社長の後任には、

このアンドリュー・ハウス氏がなったそうです。

 

20210824-083818

 

この本に出ていた写真で一番素晴らしいと思った一枚。

平井氏の笑顔がいいですね。

真ん中がアンドリュー氏。

右側がプレイスレーションのまさに生みの親、ソニー副社長でSCE社長の

久夛良木(くたらぎ)健氏。

 

「おまえたちは子供バンドだな」

 

と久夛良木からよく言われたと記載されていましたが、

これは最大級の誉め言葉ですね。

20210824-085728

 

当時のうじきつよしの「子供ばんど」もじった冗談ですが、

「子供のように若いけど実力がある」と認めていたということなの

でしょう。

当時から現職の副社長にも実力を認められて

しかも可愛がられていたということですからね・・・。

 

 

「上司に恵まれ、そして部下にも恵まれ・・・」

 

だんだんうらやましくなってきましたか・・・?

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