売上最小化、利益最大化の法則 その3
この木下社長の経営学についてご紹介したいことはたくさんあるのですが、
学生時代からいろいろと勉強されてきているのでしょうね。
冒頭から「ダム式経営」という言葉が出てきます。
稲盛教の熱心な信者である私はすぐ分かりました。
これは稲盛さんの有名なネタですからね。
もともとこの本の題名から突っ込みたかったのですが
「売上を極大に、経費を極小に」
これは稲盛さんが何度も繰り返し言われていることです。
ちょっとパクリではないかと・・・。(すいません)
まず「ダム式経営」とは、もともとは松下幸之助さんの有名な言葉です。
「好景気だからといって、流れのままに経営するのではなく、
景気が悪くなる時に備えて資金を蓄える。
ダムが水を貯め、流量を安定させるような経営をすべきだ」
これを松下幸之助さんが講演会で言ったところ、聴衆の一人が
そのやり方が分からないと質問。
「まず、ダムをつくろうと思わないとあきまへんなあ」
聴衆は落胆したり、苦笑したり。
でもその中でこれを聞いた稲盛さんだけが、
「これをやったから松下は大企業になったのだ」・・・
このネタは、稲盛さんの本で何度も読みました。
でも真面目にこの「ダム式経営」を実践している経営者は少ないものです。
「ダム式経営」のポイントは「純手元資金」という考え方ですね。
「棚卸資産」は除くということです。
これは会計の専門家として非常に勉強になりました。
これは早速実践してほしいところです。
ではここで問題です。
こういう会社があったとします。
「ダム式経営」の「純手元資金」はいくらでしょうか?
答えは
1億円ですね。
たまたま現預金が1億円のケースなので分かりずらいですが、
流動資産のうち、棚卸資産を引いた金額からさらに流動負債を
引くのですね。
これ見ただけで、ぞっとする中小企業経営者も多いでしょう。
「ウチはマイナスだ!」と・・・。
さらにこの木下社長はこの「ダム式経営」を進化させます。
「無収入寿命」という言葉で表現しています。
図にするとこうです。
例題で毎月かかるコストを1000万円とすると、
無収入寿命は10か月ということになりますね。
つまり、
「売上ゼロでも10カ月でも家賃を払える全社員の給料は払える。
その間に対策を打とう!」
ということになります。
「ダム式経営」をさらに進化した「無収入寿命」お分かりになりましたか?
このコロナ禍で瀕死の重傷を負っている中小企業には
ぜひ知っていただきたい言葉ですね。
コロナ禍で星野リゾートが「倒産確立」を発表して話題に
なりましたが、ある意味似ていますね。
これはまさにズバリ「あと何カ月で会社は倒産するか」です。
「コロナで売上ゼロでも〇〇カ月は家賃を払える全社員の給料は払える。
その間に対策を打とう!」
そう思っている経営者はいったいどれくらいいるのでしょうか・・・。
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