誰も教えてくれない「役員社宅」による節税策 その1
ではまた好評の「節税シリーズ令和版」を始めましょう。
今回のテーマは「役員社宅」です。
申し訳ないですが「従業員社宅」ではありません。
ではまず、長年顧問税理士をやっていて、社長さんから必ず聞かれるフレーズから
説明していきましょう。
「先生!今度自宅を購入しようと思うのだけど
個人で買った方がいいの?会社で買った方がいい?」
この質問は何十回、何百回と聞かれたでしょうか?
節税好きの社長さんの狙いはこうですね。
「会社で不動産買って、役員社宅として住めばきっと
税金が安くなるはずだ。
何より、固定資産税も会社の経費にできるだろうし。
会社も最近好調だから、豪華な社宅にして節税しよう!」
こう思うからなのですね。
人から聞いたのか、何かの雑誌でも読んだのでしょうか。
まあ、こう思っても仕方がないですね。
東京の高級住宅街には、会社名義の邸宅は
きっとたくさんあるでしょうから・・。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
こういう誰でも思う疑問にキチンとお答えしないといけないと
思うのですね。
ではここで、私なりの意見を申し上げます。
こういう社長さんからの「会社で購入したい」という質問には
基本的には断固反対します。
「社長!個人で所有する自宅というのは税制上
いろいろ優遇されているのです。
例えば所得税法上、借入金で住宅を購入すると「住宅取得控除」といって、
10年間税金がダイレクトに控除できるのです。
借入金額の1%を10年ですから結構お得です。
最高で500万円まで。通常でも200万円や300万円は控除できるはずです。
また、売却した際に「3000万円控除」と言って
3000万円までの売却益には税金かからないのです。
一方、相続税法上も、「小規模宅地の評価減」というものがあって、
100坪までの自宅の敷地は、相続の評価にあたって
通常評価額の20%となって有利に評価されるのです。」
とこのような説明するのですね。
税務署は自宅についてはいろいろ優遇してくれているのです。
例えば相続が発生しても、自宅に高額な税金をかけて
売らなければならないという最悪な事態は避けてくれているのです。
つまり、個人で自宅を持つこと自体が節税になっているのです・・・。
こうやって基本的な税金の考え方をご説明するのですが、
さらに経営的に重要なことも申し上げます。
「会社の資金の使い方の基本として、会社の売上を増やすために
使うべきです。会社の資金で自宅を購入しても
売上獲得にはまったく貢献していないとお考えになりませんか・・・。」
至極もっともなお話だと思いませんか。
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