田中角栄 上司の心得 その7
まあこれ以上、特定政治家の武勇伝を書き綴るのは止めておきましょう。
でも田中角栄というすごい政治家がいたことをこの本で
よく知りましたね。
何度も書くように彼は、女性問題というスキャンダルで失脚し、
なおかつ、5億円もの受託収賄罪で有罪が確定した方ですから。
でもこの方の「良いところだけ学べばいいのでしょう」
田中角栄に非常に興味が持って、かつて石原慎太郎氏が書いた
「天才」も読んでみました。
石原慎太郎氏は、もともと田中角栄の金脈問題を最初に
批判した政治家ですからね。
書きましたように、初めて首相となったときは
「今太閤」とさえ言われるほど国民から「英雄」のように人気がありました。
何故なら、戦前からこの国の政治の主役は軍人を含めてほとんど
官僚だったからなのです。
田中角栄のようなほとんど無名の叩き上げの人間が中枢に座ることは
ありえなかったのです。
官僚主導を念願する時の政権は佐藤栄作氏でした。
兄である岸信介総理から脈々とした官僚主導。
次の総理も一高、東大法学部卒のエリートで大蔵省主計局長まで務めた
福田赳夫への既定路線があったのです。
田中角栄と福田赳夫との争いは「角福戦争」とまで呼ばれていました。
こういう背景から
「脱官僚政治」ということで人気が高かったのも分かりますね。
石原慎太郎氏が解説していますが
「政治の出来事は表の通り一遍ではすまぬことが多々ある。
要は商売の取引の兼ね合いに似ていることが多い。
駆け引きには裏があり、そのまた裏の裏が
必ずしも表ではなしにまた違う裏ということさえある
そこらの駆け引きは口で説明しても埒が明かず、
後は目をつむってもやってのけるしかない。」
エリート官僚の福田氏では、それができなかったのです。
この論理は、コロナ後のビジネスの政界でも置き換えられる
お話でしょう。
リモート会議では、「裏の裏の裏」まで絶対に読めないからです・・・。
現代は「官邸指導型」か「官僚主導型かはどうあれ
そんな旧態依然とした政治を脱却してほしいはずです。
角栄がかつて掲げた「日本列島改造論」のように
「コロナ後日本改造論」
をぶち上げるくらいのニューリーダーが!
時代はそんな英雄を間違いなく求めているはずからです。
(ガンバレ!未来のニューリーダーシリーズ おしまい)
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