起業の天才!江副宏浩正 8兆円企業リクルートを作った男 その4
「業界のトップでなければ死と同じ。」
恐ろしい言葉ですが、これはある意味真実なのでしょう。
私のかつていた会社もバブル期に「ガリバー」と言われた野村證券。
当時は「業界トップが必然。」とされていました。
ここは何となく理解できたところ。
その代わり中で働く人は大変でしたが・・・。
後に、リクルートは1975年(昭和50年)住宅情報誌に進出しますね。
当初は不動産に関してはまったくの素人集団であったものの、
「リクルート精神」により業界でナンバーワンを作り上げます。
読売新聞の中興の祖「販売の神様」と言われた務臺光雄氏。
それについに対抗手段を取ります。
1983年(58年)3月23日。読売グループ総力を上げ
「読売住宅案内」を創刊します。
その時も江副氏は全員を集め、
「情報誌にナンバー2はない!生き残るのはナンバーワンだけだ!」
読売も当時のジャイアンツのエース「江川卓」や「王貞治」まで使って
「いろんな情報あるけれど、これが決め手のビッグワン!」
そこまであの読売が対抗してきたのに、結局勝負はわずか3年で決着がつきます。
1986年(昭和61年)わずか3年で読売は
「読売住宅案内」を廃刊にします・・・。
ここも面白かったところですが、でもここで冷静に考えてみると、
「リクルートブック」と「住宅情報」の登場により、不特定多数の
読者に求人広告や不動産広告を届ける新聞やテレビの
「魔法」が溶けてしまったのです。
ここ難しいですか?分かりませんか?
しかし当時は、それを誰も理解していなかったのです。
それを正しく理解していたのが、読売新聞の務臺氏だったのです。
もう一度書きますが
「江副氏が作り上げた『情報誌のビジネスモデル』は、需要者と
供給者をダイレクトに結び付ける『検索サービス』なのです。」
まさに「メディア」なのです。
ここは、この本で勉強しましたね。
「マスメディア」といった方が分かりやすいでしょうか。
新聞、テレビ、ラジオが、まさにそれまでの「マスメディア」だったのですね。
国民の大多数が、新聞、テレビ、ラジオに掲載される広告を
受け入れていたのです。
しかも、テレビラジオは「タダ」のサービスですね。
それを「リクルートブック」を就職希望者にタダで配り、
「住宅情報」を書店にタダで配り(儲けを全額書店に)、
メディアを作り、新聞ラジオから広告を奪ってきたのです。
Googleの検索が何故広告効果が高いかというと、
「検索するならGoogle」
と誰もが思うからです。しかも当然かもしれませんがタダのサービス。
まさに2番では意味がないのです。
就職を探す、就職のために広告を出すには
1番広告効果の高いところにする意味こそ大事でしょう。
それは不動産を探す、不動産の広告を出すという意味において
同じです。
恐ろしいことが書いてありました。
「1980年代にリクルートは、当時の毎日新聞を
1000億円ほど買収するようなお話」が本当にあったようです。
ただ、メディアを欲しがりすぎて最後はメディアに叩かれます。
新聞を始めメディアから「リベンジ」の総攻撃を受けます。
状況としては、テレビから広告を奪っている現在のYoutubeと
同じでしょうか。
日本人は「出る杭」を打ちたくなる悪い性格がありますから・・・。
そうなのですね。もう分かりますね。
言いかた悪いですが「ライブドア事件」と同じです。
ホリエモンはフジテレビというメディアが欲しかったのですが、
最後はいろいろ叩かれましたね。
それこそが江副氏の「リクルート事件」の背景だったのです・・・。
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