起業の天才!江副宏浩正 8兆円企業リクルートを作った男 その5
このリクルート事件なのですが、ここでは語りません。
詳しくは本をお読みください。
事件が起きたのは1988年(昭和63年)。
当時は私も現役の証券マンでしたからね。
よく覚えています。
「絶対に儲かる株がある・・・それが新規公開株・・・」
当時は、この事件により、誰でも欲しがりましたね。
あと「新規公開株」とともに絶対に儲かる「新発転換社債」。
これらは私に言わせたら「バブルを誘発した麻薬」です。
(守秘義務があるので・・・今度・・・)
確かにリクルート事件を端緒に、証券界はずいぶんかなり変わりましたね。
また、リクルート事件により当然ながらリクルートの経営は傾きます。
1992年(平成4年)江副氏の持ち株1018万株を、
455億円でダイエーに譲渡。経営から一切身を引きます。
これにより、残念ながら江副氏の「稀代の経営者」としての人生は終了。
その後江副氏は起訴。2003年(平成15年)有罪確定。
それから10年後、2013年(平成25年)江副氏は、
リクルートがかつて開発した安比高原からの帰りの新幹線を
降りた東京駅で倒れます。そのまま帰らぬ人に。
この本を読んで初めて知ったことですが、
東京駅で倒れた際に持っていたバッグの中には「会社四季報」。
肌身離さず持っていたそうです。
よほど株がお好きな方だったのでしょう。
ネット全盛の現在。
会社四季報を読んでいる方はどれくらいいるのでしょうか。
30年以上前に証券会社の新人研修で
「会社四季報を全部覚えろ!」
と講師に言われたこと今でも覚えております。
その後会計の専門家となり、企業業績を比較してみることは
よくありますが、それで株価の予測することは、今でも到底できません・・・。
江副氏は、ある意味「稀代の経営者」でありながら「稀代の相場師」
ではなかったかとさえ思います。
戦後の有名な相場師で、「是川銀蔵」などいますね。
古い話で恐縮ですが、獅子文六の小説「大番」に出てくる
「ギューちゃん」を思い出しましたね。
「大番」で「ギューちゃん」は満鉄の株で大儲けしたのですが、
5.15事件の暴落で全財産を無くすお話でしたね。
今では「インサイダー」と言って完全にアウトですが、
江副氏は、当初メディアの情報量と政治家とのパイプによって、
相場を100%の確率で勝ちにいったような方のような気もします。
最後に、最近日経平均が高値更新して、30年前のバブルの再燃と
よく言われますね。
「これからどうなるのですか?株を買って大丈夫ですか?」
これもよく聞かれます。
それに対して
「株の世界は『ゼロサム・ゲーム』」
「分かりやすく言うと、『二人でババ抜き』。勝ちか負けしかない。」
でもこれから、江副氏のお話を引き合いに出すことに
しましょう。
平成最大の相場師「江副氏」は、ピーク時は個人資産1000億円は
ゆうに超えていたのは間違いないでしょう。
それでも、結局残ったのは117億円。
相続税を43億円差し引いて残りは74億円。
「相場の世界はそういうものです・・・」
今でも株の大嫌いな元落ちこぼれ証券マンは、
つくづく感じました・・・。
(ガンバレ!戦後最大のベンチャー企業シリーズ おしまい)
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