アイアンハート その3
この本はなかなかの大作です。読み応えあります。
3つに分けられます。
一つ目は折口氏の幼少時の体験から防衛大のお話。
そしてジュリアナ東京、コムスンでの大成功、そして挫折。
二つ目は、現在のコンサルタントとしてのお話。
三つ目は、アメリカでの親子受験日誌、そして教育論。
全部真面目に読む必要はないのかもしれませんね。
特に最後のアメリカでの次男の受験物語は、
「へ~。アメリカの受験制度はそうなっているのか・・・。」
そんな興味本位で読むと面白いのかもしれません。
ビジネスの観点から見たら、やはり折口氏の経営能力の
ところでしょう。
申し訳ないですが、折口氏は「ジュリアナ東京」のイメージが
強すぎた方です。
コムスンという公的な介護事業に参入し、
巨大な組織を作り上げても、
「ディスコで儲けたやつが、また介護事業で儲けやがって・・・」
と結構「色眼鏡」で見られていたと思うのですね。
こんなチャラチャラした写真を何度も見かけましたから。
不正が明るみに出たとたんに、一気に叩かれ潰されてしまったのですね。
その内情をこの本を読むとよくわかります。
「本当はそうだったのか・・・・」
折口氏のいまさらながらの「言い訳」ということなのでしょうか。
巨万の富を得たのに、最後は自己破産でしたから・・・。
日本にいられなくなって、結局はアメリカに渡ります。
何もすることがなくなった折口氏は、9歳の次男の教育に
情熱を傾けます。
片言の英語すら離せなかった次男が努力して
アメリカの大学に合格する物語は感動すらします。
ただあえて書きますが、「子供の自慢話」とも言えます・・・・。
日本で自己破産した折口氏が、またレストランチェーンを
築き上げ、それを売却してまた巨万の富を得るというのも
まさに「アメリカン」ですね。
「敗者復活」を許させる土壌がアメリカにはあるのでしょう。
読んでいて分かりましたが、グッドウイルグループを上場させながら
結局は破綻してアメリカのプライベート・エクイティー・ファンド
(PEファンド)に乗っ取られたのです。
経営権を手に入れたPEファンドは事業をリストラクチャリングして、
価値を上げて大きな利益を得たのですね。
アメリカに渡った折口氏は、かつてグッドウイルグループが手掛けた
高級和食レストラン「MEGU」の雇われ社長になります。
しかしここで「転んでも多々で起きない折口氏」のアイアンハートは
さすがです。
現在のトランプ大統領と親交を深めます。
世界中でフランチャイズ展開を思いつくのです。
すぐ出資したいという会社があらわれ、会社を売却。
出資した金額の何と70倍になったというのですね。
これこそ
「アメリカンドリーム」
ですね・・・。
「江戸の敵を長崎で」ではないですが、「日本の敵をアメリカで」
たとえがちょっと古いですか。今年流に言えば
「やられたらやりかえす! 70倍返しだ!」
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