アイアンハート その5
「センターピン理論」
が正しいかどうか?
これを論証するまでもなく、まず正しいと思うのですね。
センターピンを外してストライク(事業の成功)はできないでしょうから・・・。
折口氏は、ディスコで遊んだこともないのに、
ジュリアナ東京を成功させました。
また、今までなかった介護事業というものに目を付け、
一時は日本最大規模にまで成長させました。
さらに、外食産業をやった経験もないのに、アメリカでチェーン化に
成功して多額のエグジット(ベンチャービジネスで第三者への売却による
多額の利益を得ること)を得たのですね。
日本での結果はどうあれ、それをある意味認めざるを得ないのでしょう。
しかし、2000年代初頭のM&Aブームで本当にすごい経験を
したのですね。
このあたりも読んでいて懐かしくなりましたが、
ホリエモンを代表とするM&A長者が暗躍した時代です。
「猫も杓子もM&A」
というのは確かに異常だったのですね。
グッドウィル・グループをゼロから立ち上げ、
創業10年で1400億円の売上です。
ここから、M&A攻勢にかけます。
技術者派遣の会社「グッドウィル・エンジニアリング」を
立ち上げ、2年後にはまだ10億円規模の会社であったのに、
売上230億円の売上の「フジオーネ」という会社を買収します。
買収金額は40億円!
相場の倍以上のカネだったらしいですね。
つまり、当時は「M&Aで売上を買う」時代だったのですね。
創業11年目の2005年にはついに売上2000億円達成です。
翌年の2006年、売上5700億円の会社をM&Aです。
この「なまめかしいお話」が一番面白かった・・・。
しかし、2004年に東証一部上場企業になったのですからね。
売上2000億円の企業が非上場の5700億円の企業を買収だなんて
やはりワンマン経営者だったのでしょうね。
こんなこと普通の上場企業ならあり得ないでしょうから・・・。
でも当時の折口氏の持ち株比率は18%。
そのため急遽借金して増資するのですね。
将来的にその借金が自己破産につながるのですが
正直に書いてありました。まさにリスクを取ったのでしょう。
しかし買収金額は880億円!
ずいぶん吹っ掛けられたのですね。
しかし仲介した公認会計士が380億円も抜いたという
オチもついていましたが、ずいぶん乱暴なM&Aだったのですね・・・。
その後この公認会計士も脱税などで逮捕され、
グッドウィル・グループのパッシングの材料となったのですね。
どうも折口氏は日本において事業的には成功したものの、
M&A長者としても
「カネまみれ」
の悪いイメージが付きまとってしまったのですね・・・。
「センターピン理論」
という崇高な経営手腕があったのに残念ですね・・・。
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