オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る その2
オードリータン氏がデジタル担当の政務委員というのは、
日本でいう「デジタル庁の長官」なのかと思いますよね。
でも、この本を読んでその誤解が解けましたね。
「私がそのトップに就いたのではありません。」
ハッキリ書いてありました。
図のように32の部会があり、それぞれのトップがいるのです。
一つの部会では解決できない問題がたくさん出てくるのですね。
まさに「マスク問題」なんかもそうでしたね。
「そういう時には、部会間の異なる価値観を調整する人間が
必要になるのです。複数の部会を横断的に見て、その間に橋をかけ、
共通の価値観を見つけ出す」のが政務委員の仕事」
なのだそうです。
これこそ、本当の意味での「縦割り行政の打破」ですね。
日本の将来の政治の在り方に、非常に参考になるのではないでしょうか。
デジタル担当の政務委員にオードリー・タン氏が
なぜ35歳の若さながらなったのかの「裏話」にも驚きました。
もともとは「候補者を推薦してほしい」という依頼だったのだそうです。
ところが、誰もいなかったので、結局本人に就任要請が来たのです。
それに対して、彼女が出した就任する条件は3つ
1.行政院に限らず、他の場所でも仕事することを認める
2. 出席するすべての会議・イベント・メディア・納税者のやり取りは、
録音や録画して公開する
3. 誰かに命じることも命じられることもなく、フラットな立場から
アドバイスを行う
すごいですね。日本では考えられない要望ですね。
これに対して、当時の林全(りんぜん)行政院長から「問題ないでしょ」
の一言で入閣です。
この開かれた民主主義をたまらなくうらやましく思いませんか?
彼女のデジタル担当として進める「デジタル民主主義」とは、
「国民の意見が伝わりにくいとされる間接民主主義の弱点を、
インターネットなどの力により、誰もが政治参加しやすい環境に
変えていこうとすること」
なのです。
具体的に言うと、台湾のコロナ対策でもっとも効果があった
国民皆保険制度にあたる「全民保険制度」なのです。
有名なお話ですが、
「誰がマスクをいつ何枚買ったか」
をこの健康保険のデータですべて一元管理できたからこそ
マスク対策に効果があったのです。
日本の政治家に読んでもらいたいといった理由が
だんだん分かってきましたか・・・。
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