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2020年10月13日 (火)

続・こうして店はつぶれた その8

「半沢直樹がいなかったからやまとがつぶれた」

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ドラマ半沢直樹は倒産寸前の伊勢志摩ホテルを立て直しましたね・・・。

やまとマンに怒られるかもしれませんが、

これも検証してみましょう。

 

半沢直樹を論証するまでもなく、

「銀行との関係」これは中小企業にとって大変大事なところですからね。

 

山梨県に105年と聞いたとたんに、山梨県の地銀とは当然お付き合いは

あったのでしょう。

実名で書きますが、山梨中央銀行ですね。

山梨県には地銀は一行しかありませんから、当然ココを指しますね。

 

でもこの本読む限り、最初から関係はよくなかったのでしょう。

「この状態の会社に貸す銀行はないですよ・・・」

社長就任直後、支店長から馬鹿にされてしまうのですね。

 

ただその2年後、ご紹介した通り黒字転換。すると

 

「取引のなかった銀行から、信用の会社のみが許される『社債発行』

の提案を受け、こちらもお願いしなくても資金が集まるようになった」

 

すると、当時のやまとマンは非常に若くて元気でした。

すぐメインバンクをそっくり変えてしまうのですね。

「気を付けた方がいいぞ、都市銀行はすぐ手のひらを返すからな」

そういう周りの忠告もあったそうですが・・・。

 

「社債発行」と聞いた瞬間思いました。すいませんが、以下本音で書きます。

 

「やまとマンも毒饅頭食わされたのか」

 

 

今から10年位前からでしょうか。

都市銀行は、確かに優良中小企業に対して「社債発行」の提案を

することが大変多くなりました。

会社の業績が良くなってくると、本に書いてあるように

 

「信用高い会社のみが許される社債を発行しませんか?」

 

提案してくるのですね。

中小企業の社債発行とは、別に社債を発行してそれが流通される訳でも

何でもないのです。いわば融資の変形ですね。

 

銀行が何故これをやりたがるかというと、

表面金利は確かに低いものの、高額な社債発行手数料と、多額の保証料が

発行会社(つまり融資先)から取れるからなのです。

営業成績を上げたい銀行マンには格好の商品なのです。

 

それとこれを発行すると、万が一業績が悪くなって利益が出てこなくなると

銀行は露骨に嫌な顔してきます。

「財務制限条項に抵触するので・・・」

と婉曲的に粉飾を要求してきます。

 

担当者はこの社債を何回も発行させて、営業成績を上げたい一心で

いうのですね。

だからこそ「毒饅頭」と申したまでです。

 

あと、この社債発行の問題は、返済方法ですね。期間5年で1億円を発行したら、

半年ごとに1000万円を返済し続けなければならないのですね。

一度に1000万も返済するのは資金繰り的には大変ですよね。

そうなると、その返済のために別から金を借りなければならないことも・・・。

本当に利益が出ている優良企業なら調達コストが下がって有利でしょう。

でも、現実に業績が悪くなってくると社債の償還さえ

要求してきます。

 

まさに、「銀行の晴れた日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」

大和田常務が得意とする必殺「手のひら返し」!

 

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でもやまとの場合はどうだったのでしょうか?

社債を発行したがゆえにかえって大変だったのではと

思ってしまいます。

利益が出続けていたとは、まったく思わないからなのです。

 

また、銀行の指導の元?もし一度粉飾してしまうと、

以降は本当に会社が儲かっているかどうか分からなくなってしまうのです・・・。

 

すいません。これも、やまとがそうでなかったことを心から祈ります。

これは、一般論としての税理士としてのつぶやきです・・・。

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