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2020年10月12日 (月)

続・こうして店はつぶれた その7

では、スーパーやまとは儲かっていたのでしょうか?

ココが問題ですね。

「最後は倒産したくらいだから結局は儲かっていなかったのでは?」

これは誰でも立てられる仮説です。

 

儲かっていたかどうか突っ込む前に、気になった巻末の社長の倒産理由。

5点書かれていましたが、そのうち、

 

「第一に、営業方針や人事管理、資金繰り等社長がすべて行い、

部下に任せなかったこと」

 

まず典型的な「ワンマン社長」であることが分かりますね。

これは中小企業にはよくあるので、次の倒産理由。

 

「第三に、社内の財務の専門家を置かず、日銭商売のやり繰りに

甘えて抜本的な改革が遅れたこと」

 

これは経理の専門家として、「厳しく」突っ込みたいところですね。

社長就任時の売上は、約40億円です。

しかも6店舗も営業していますね。

社内に財務の専門家を置かずに、まずこれは正確な経理処理はできませんね。

 

「総務は実の妹に任せ、経理も契約社員の女性が日々入力作業・・

事務処理も3名の女性社員・・・このメンバーで最盛期年商64億円の

事務作業をしていた・・・」

 

「入力の済んだ会計帳簿を翌月顧問税理士に見てもらい、営業成績が確定する。」

40億円から64億円まで急増した理由は、

居抜き店舗を5店舗買い取った(引き取った?)からですね。

 

システムも経理処理も違う5店舗も買い取って、

通常の経理業務なんかできる訳ありません・・・。

「抜本的な改革」ということは、

「システム統合しなければどの店がいくら儲かって、

どの店がいくら赤字なのか瞬時に分からない」

ということではないでしょうか。

 

しかも冒頭書きましたように、社長さんは、社長就任時に

「すぐさま『漫画簿記入門』を読み、決算書の読み方をゼロから勉強した」

いわば、経理については素人なのですね。

ワンマン社長ですから相談する相手も置きません。

 

「顧問税理士が見ていた」と書かれていますが、

年商64億円の月次決算を、翌月までキチンとやることは通常無理ですね。

こう書くと大変申し訳ないのですが、かなり「適当」ではなかったのでしょうか?

ワンマン社長は、たいていは税理士の言うことは聞きませんから・・・

(すいません。そうでなかったことを祈ります・・・)

 

あと専門家として突っ込みたいところは、小売業や卸売業の

経理上の弱い部分は「棚卸」ですね。

システムがきちんと確立していなかったら、「棚卸」なんて

毎月面倒でやり切れないのです。

 

私の経験則で書きますが、20年前に初めてコンビニの顧問に

なったときに、

「万引きされても、何が何個取られたかなんてすぐ分かります」

それを聞いて驚愕したことがあります・・・。

コンビニ行くと分かりますよね。すべての商品にバーコードが

ついているから、あの「ピッ」とやるとすべて分かるからなのです。

 

つまり、何が言いたいかというと、システムが確立されてなければ

小売業というのは、利益が的確に瞬時に算出される訳がないのです。

先月急成長した「ワークマン」を徹底的に勉強しましたが、

まず改革したことは「データ経営」でしたからね。

 

ましてや経理の現場責任者もいない会社です・・・。

経理財務にコストを掛けられなかったのか、

システム投資をする余裕がなかったのか、

 

それすべてに該当するのかもしれませんが、

こういうワンマン社長のたいていは、

そもそも経理財務にコスト掛けること自体

重要視していないことが多いのです・・・。

(やまとマンはそうではなかったことを祈ります・・・)

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