なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? その10
サイゼリヤ研究についてはまだまだあるのですが、最後にまとめましょうか。
村上シェフを通じてサイゼリヤを徹底的に分析している理由が
そろそろお分かりいただけていると思います。
何といっても
「原価率4割のサイゼリヤ」
ですからね。
人時生産性どころか、まともに原価率すら計算していない零細店舗なら(失礼!)
勝てる訳ないと思いませんか?
でも、その村上シェフの目標とするサイゼリヤなのですが、
やはりこのコロナ禍で強烈な打撃を受けているのです。
「飲食店型・データー経営」でここまで綿密なコントロールを
しているチェーン店でも影響を受けているのですから、
まあ、弱小(失礼!)レストランが
このコロナ禍で厳しいのは当然なのでしょう。
では、EDINETからそのサイゼイリヤの生の数字を見てみましょう。
サイゼリヤの月次報告です。
3月から6か月間「前年割れ」が続いています。
4月などは前年同月比33%ですからね。
8月になっても7割程度しか戻っていないのです。
あの「サイゼリヤをもってしても」こんな状況です。
サイゼリヤは8月決算です。
もうじき決算発表されると思いますが、赤字転落は
免れないのです。
といってすぐ経営危機かというとそうではないのですね。
このあたりが、弱小レストランとは違います。
今まで無借金できたのですからね。
データ経営のなせる業です。
でも5月期の速報見たら、
借金100億円とリース100億円。
ついに200億円の借金をしたことが分かりました。
これ見習うべきところなのでしょうけど、
たぶん封痛のレストランが受けた緊急対策融資のような
「赤字の補填」ではないのですね。
9月16日の日本経済新聞です。
新業態で新規出店するそうです。
厨房を今までの面積より半分にして攻めてくるのですね。
総床面積の5分の1がサイゼリヤ流と紹介したばかりですが、
なんと驚きの「総床面積の10分の1のキッチン」で、
この効率経営をさらに「バージョンアップ」して
攻めてくるのです。
すごいですね。
サイゼリヤにとどまらず、外食産業は生き残りをかけて
必死になって挑んできます・・・・。
どうでしょうか?
村上シェフを通じてサイゼリヤの戦略をご紹介してきたつもりです。
生半可な戦略ではこの「コロナ禍」を生き残れないと思いませんか?
村上シェフの「三ツ星シェフ」という料理人最大の称号を
諦めてもサイゼリヤでアルバイトしている意味が
ようやく分かりましたか?
サイゼリヤの新業態のお店で、しばらくアルバイトしてみたら
私のいう意味がより分かっていただけるかもしれません。
もしくは、村上シェフの努力の汗のにおいでも嗅ぎに
「ラッセ」で美味しいイタリアンでも食べにいってください・・・。
(ガンバレ! ミシュランシェフ村上さんシリーズ おしまい)
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