なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? その3
ここでサイゼリヤ経営術ですね。
何度も勉強しましたが覚えていますか? 重要な経営指標です。
この村山シェフはそれを熟知しているのが、非常にうれしくなりました。
「人時生産性」でしたね。
もう忘れてしまいましたか?
ここで「人事」ではないのです。「人時」ですね。
簡単に言えば、時間当たりの生産性です。
厳しい言い方ですが、そういうことを考えないレストラン経営者は
「コロナ禍では生きてはいけない」
とまでサイゼリヤの経営者は言っています。
それを勉強したくて村山シェフはサイゼリヤに勉強しに行ったのです。
人時生産性 = お店が1日で生み出す粗利益 ÷ その日に働いた従業員の総労働時間
ですね。
前回ご紹介した「星付きレストランの繁盛店」で、もう一度みてみましょうか。
「お店が25席、スタッフが10人、顧客単価が2万円で1日1回転、原価率が35%」
かなり儲かっていそうですね。
粗利が65%ですから 、2万×25席×1回転×65%=32万5000円
ですからね。
でも本当に「儲かっている」のでしょうか?
レストランでは長時間労働が常態化しています。
1日16時間くらい働くのは普通なんだそうです。
1日16時間というと、朝8時に出勤して夜中の12時までですね。
スタッフ10人全員が1日16時間働いているとしたらどうなるでしょうか?
10人でそれぞれが16時間ですと160時間です。
160時間で32万5000円稼いだのですね。
32万5000円 ÷ 160時間 = 2,031円 ですね。
人時生産性は何と2,031円です。
(本では3,125円と書いてありましたがこれは明らかな間違いです。
50万円(売上)を160時間で割っていますね。
ここは絶対間違えてはいけないところですね!)
この2,031円が、すべてスタッフ10人に配分される訳ではないのですね。
粗利を計算しただけの数字ですから、これから販管費も加味しなければ
ならないのですね。
販管費や家賃や水道光熱費などの経費もまだまだあるのです。
それ加味して計算したら、スタッフ一人当たり1,000円くらいしか払えないかもしれません。
そうなのですね。
これこそ、星付きレストランの実態です。
一般的なレストランでは…と書いてありましたが、
これこそまさにラッセの実態だったのでしょう。
毎日必死に16時間働いても、時給1,000円ももらえなければ
絶対辞めてしまいますよね・・・。
「せっかく星付きレストランになっても従業員が幸せになっていない・・・」
「オレのやり方は間違っているのか?」
これに気が付て、村上シェフはサイゼリヤに学ぼうとしたのです。
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