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2020年9月17日 (木)

なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? その6

村山シェフは、サイゼリヤに習って「カイゼン」を導入していきます。

「カイゼン」なんて言葉は、多分中小の飲食店では絶対に聞かない言葉でしょう。

 

サイゼリヤには、

「社内に生産性を上げるためだけの部署がある」

そうです。

 

「時速5㎞以下では歩いていけない。お皿を下げる時にどっちの手で持つか。

下げたお皿を洗い場に置く場所と順番まで決めている」

そうです。

 

その小さなカイゼンを、何百回も何千回も重ねるのがサイゼリヤ流。

 

例えば、レストランは通常キッチンが総床面積の3分の1がセオリーと

されているのが、サイゼリアは5分の1しかありません。

それでも営業ができるように、キッチンの作業内容が実に細かく

設計されています。

 

Photo_20200917093301

 

写真は今の「ラッセ」の店内風景。

もともと24席あったレストランをあえて18席に。

4人で回せるように作業効率を考えての結果です。

この「コロナ禍」で大変参考になるお話ではないでしょうか。

 

さらに「ラッセ」の大掛かりな「カイゼン」を実行していきます。

 

この内装や間取りに合わせて新しい設備を購入。

まず、「ワイングラス30脚を純水で一度に洗える洗浄機」の購入。

グラスラックを12個にして、自然乾燥したものをそのまま使えるように工夫。

さらに洗洗浄機に合わせたオリジナルのお皿の開発。

 

それまで皿洗い専用の若い方がいたそうですが、

いなくなって終了後3時間かかっていた洗い物は20分まで減少。

 

あと「無駄と思えることを排除」していきます。

 

「テーブルクロスは毎日アイロンがけをしていたのを、

しわのばしスプレーと手袋で済ませる」

 

「おしぼりも袋から取り出してきれいに折っていたのをやめる」

 

「重たくて高そうなフランス製のお盆を、軽い気のお盆に変更」

 

どうでしょうか?

サイゼリヤ流に、次々にカイゼンしていきます。

 

でもここまで読んでいて、

 

「星付きレストランの『至れり尽くせりのサービス』を求めに来た人は

どうなるの? 満足するの?」

 

これ思いますよね。

 

星付きレストランは2席あたりスタッフ1名が必要なんだそうです。

以前24席あったときは、事実最大12名まで雇っていたそうです。

 

それを4名で回すとなると、まさに普通に「サイゼリヤ」ですね。

キッチンの人がホールやったり、ホールの人もキッチンをやる・・・。

 

正直に書いてありました。

「店の改革を始めてから、スタッフは海外に修行に行ったり、

他の店に移るために辞めていった」そうです。

 

ですから生産性を高めるために減らしたのではなく、

結果的に従業員は9人から4人になったのです。

 

生産性を高めることにより、なくしたものもあるかもしれませんね。

これは仕方がないことかもしれません。

方向性が違うのですからね。

 

 

これで、ハッキリ書きます。村山シェフは

 

「三ツ星レストランになることを諦めたのでしょうか?」

 

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