ワークマンはなぜ2倍売れたのか その8
土屋哲雄氏はつぎつぎにワークマンを変革していくのですが、
変えなかったこともあるのですね。
ここも勉強になりました。
店の標準化と現場主義で無駄をそぎ落とす「リーン経営」。
これこそワークマンのDNAなのですね。
それは尊重し絶対変えないのです。
店の標準化というと売り場面積100坪で駐車場10台。
これが標準的なワークマンのお店です。
品ぞろえも、店内業務もすべてマニュアル化されているというのです。
「リーン経営」はローコスト経営につながります。
ご紹介したようにワークマンは原価率64%なのです。
通常、小売業で64%なんてありえないですね。
100円売れても儲けは36円しかないのです。
ここからさらにFC加盟店に利益を分配しても10%を超える
営業利益を出しているというのです。
すいません。ここで疑り深い私は、またEDINETで有価証券報告書を
確認しました。
「原価率64%で儲けが出るはずない!」
税理士として悲しい性ですね・・・。
2020年3月期で売上高1220億円。経常利益で206億円。
最終の当期純利益でも133億円です。
営業利益で191億円もあり15%です。こんな企業ありません。
売上に占める店の家賃を3%に抑えることなど販管費を抑制しています。
無駄を抑制する「リーン経営」についてもっと書くと、
「歓送迎会といった社内行事はしない」
「日本フランチャイズチェーン協会といった業界団体への加入はしない」
「仕入れ先の接待はしない」
もう徹底していますね・・・。
業界団体の行事や仕入れ先の接待で、言い訳しながら常に酒飲んでいる
会社経営者にとっては、たいへん耳の痛いお話ですね。
あとこのワークマンで有名なことは
「海外展開を一切しない。」
これ驚きませんか。
まだ一切進出していないのです。
「今どき中国にリアルの店舗を持ってもしょうがない。」
とハッキリ言い切るのですね。
中国ビジネスに精通している土屋哲雄氏の哲学です・・・。
あと人間関係、利害関係人(ステークホルダー)を大切にするビジネス。
国内の仕入れ先を30年以上に渡って取引を続けて信頼を築き上げ、
特に加盟店であるFCオーナーを大事にしています。
FCのうち99%が再契約しているそうです。
親子で引き継ぐことも多いそうです。
コンビニの再契約率は知りませんが、親子代々コンビニです・・・
というのはあまり聞いたことないですね。
コンビニとの差で強調されてる点で
「ロイヤリティーが一定」
ということです。
これもコンビニ経営者が聞くと驚く点なのです。
なぜならコンビニは
「店の売上が伸びれば伸びるほど、ロイヤリティーの率が上がる」
というコンビニ本部が有利な仕組みだからです。
冷静に考えると、確かにおかしいのですね。
ワークマンはFCオーナーが頑張って売上を増やせば
その分収入が増える仕組みで、さらに報奨金制度もあるのです。
そろそろ会社辞めて、ワークマンのFCオーナーにでも
なりたくなってきましたか・・・・。
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