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2020年8月 6日 (木)

ワークマンはなぜ2倍売れたのか その7

 「データ経営」をについてお分かりになりましたでしょうか。

土屋哲雄氏はデータ経営のトップ・コンサルタントでしたからね。

そのプロが作り上げたものですから、簡単には理解できないのは当然です。

でもトップ・コンサルタントが経営者になったからこそワークマンは激変したのです。

 

この「データ経営」は店長募集の際に強力の引きになっているそうですね。

「一括発注ボタンを押すだけで仕入れが完了する」

からなのですね。

これは他のコンビニなどのFCオーナーが聞いたら

驚くお話なのでしょう。

 

「一括発注のボタンを押すだけで、売れ筋の商品が届き、

あと品出しするだけで売上が伸びるという画期的なシステム」

 

コンビニではありえないからですね。毎日コンビニオーナーが

「感ピューターで」発注だからですね。

 

ただ、驚くお話として、

「データ経営にはAIは当面導入しない」

そうです。

あくまで「エクセルで分析」するのです。

「AIには欠点もあるから導入をとどまった。」

「AIにはプロセスがなかった。思考のプロセスが

ブラックボックスになって見えない。」

「AIは大量のデータから相関関係を見つけるのは得意だが、

ビジネスで必要なのはむしろ因果関係を見極めること。」

 

ここも難しいですか?

でもこれは囲碁が趣味の私ならよく分かる点なのですね。

AI囲碁は確かに強いのですが、AIがどうしてこの局面で

そこに打つのかという思考のプロセスが、私にもまったく見えないからです・・・

(偉そうに書きますが、ただ囲碁が弱いだけかもしれません。)

 

 

土屋哲雄氏のことで、さらにもう一つご紹介したいことがあります。

物流網の日本初のシステムを導入したことです。

「善意型のサプライチェーン」

と呼ばれるものです。

 

「善意型」というのがポイントですね。

つまり、どれだけ納品するかという判断をメーカーにすべて

委ねるシステムなのです。

つまり、

「メーカーが生産した分は、ワークマンが無条件で買い取る。

商品が倉庫に届いた時点で全量分の代金をメーカーに支払い、

ワークマンに所有権が移るという仕組み」

なのです。

 

これ聞いて驚く人も多いのではないでしょうか。

有名なトヨタ自動車の生産方式で「ジャストインタイム」がありますね。

でもトヨタにとっては「必要な部品が必要な量だけ最適なタイミングで

届けられるため、トヨタは在庫を抱えることがない。」のですね。

トヨタ側には好都合ですが、でも下請け側から見たら、

「メーカー側は過剰に在庫を持ち、売れなかったら廃棄するという

厳しいシステム」なのですね。

 

こんな日本初の物流システムを構築する土屋哲雄氏は

本当にただものではないですね。

三井物産の経営企画室にいた時に、思いついていたそうです・・・。

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